カナダ代表ＦＷシンクレア　初優勝狙うストーマーズの助っ人に

　カナダ代表FWとして21キャップを持ち、昨年のワールドカップでは日本代表戦を含む全４試合に出場したジェブ・シンクレアが、スーパーラグビーに初参戦することが決まった。獲得したのは、バックローに故障者が続出しているストーマーズ（南アフリカ）。
　チームは当初、ストーマーズOBで現在はバース（イングランド）でプレーしているフランソワ・ローの古巣復帰を希望していたが、交渉がまとまらず、欧州シーズンを終えた世界レベルのバックローから臨時助っ人を探していた。そして、今季全日程を終えたロンドン・アイリッシュ（イングランド）所属のシンクレアにオファーを出し、短期のローン移籍という形で契約を結んだ。
　身長196センチのシンクレアはLOとしての評価も高いが、リハビリ中の強力バックロートリオ、主将スカルク・バーガー、代表候補のデュアン・フェルミューレン、若手有望株のニック・コスターが戻るまでは、３列での働きがメインとなりそうだ。今季のストーマーズでは、ルーキーのNO8ニザム・カーやFLシヤ・コリシなどが好アピールを続けているが、アリスター・クッツィエHC（ヘッドコーチ）はシンクレアの加入によって若手のさらなる発奮も期待しているという。
　突進力と運動量が魅力で、さらにスクラムでも頼もしい25歳のカナダ人は、すでにストーマーズに合流しており、早ければベンチ入りする今週末のチーターズ戦で、南半球クラブ最高峰舞台に足を踏み入れる。
　カナダ出身選手がストーマーズでプレーするのは、1998年にCTBとして活躍したクリスチャン・スチュワート（元カナダ／南ア代表）以来２人目。大会規定により、シンクレアにはプレーオフ出場の資格はないものの、レギュラーシーズンは残り７試合も残っており、初優勝へ向け好位置をキープしたいストーマーズにとっては、救世主となるかもしれない。プレーオフが行われる７月には、故障者３人は戦列復帰する予定。
　現在、チームは８勝１敗の勝点41で南ア・カンファレンス２位（総合順位４位）。南ア勢で１位になるか、総合順位で６位以内に入れば、プレーオフに進むことができる。