ラグビー王国で奮闘する野武士 地元紙が堀江の挑戦を紹介
日本を代表するHOがラグビー王国で奮闘している。ニュージーランド地区代表選手権(ITMカップ)出場を目指し、同国南島ダニーデンのクラブチーム“ジンガリ・リッチモンド”でトレーニングを積んでいる堀江翔太(パナソニック)のチャレンジが、9日付の地元紙『オタゴ・デイリー・タイムズ』に掲載された。
まもなく合流するチームメイトのSH田中史朗とともに、パナソニックならびに日本代表を一時離れ、130年以上の歴史を持つ古豪オタゴ協会との契約を最初の目標としているが、財政難に苦しんでいる同協会はニュージーランド協会からの資金援助を受けながら辛うじて運営を続けている状態であり、記事によれば、どちらの日本人選手もいまのところは契約のオファーを受けていないという。
それでも堀江は、下部組織のクラブチーム(ジンガリ・リッチモンド)でアピールできれば道は開けると信じており、ITMカップでも活躍し、最終的にはオタゴを母体とするハイランダーズの一員として、南半球最高峰のスーパーラグビーに出場することが彼の目標だと同紙は伝えた。
堀江は帝京大学を卒業後、カンタベリー・アカデミー(NZ)で約2シーズンを過ごし、現在オールブラックスとして活躍しているNO8キアラン・リードらとともに汗を流した経験を持つ。ニュージーランドラグビーへの思いは強く、オタゴのコーチに就任したばかりのパナソニックBKコーチ、トニー・ブラウン氏の誘いもあって今回の再チャレンジを決意した。
現在、オタゴはITMカップの2部リーグ(チャンピオンシップ)に属しているが、WTBジェフ・ウィルソン、NO8タイン・ランデル、FLジョシュ・クロンフェルド、HOアントン・オリヴァーなど、これまで156人のオールブラックスを輩出した名門だ。堀江、田中にとってのライバルは多いが、ハングリーな気持ちはきっと負けていない。
ラグビー王国でも、2人の野武士が眩いブルージャージーを着る日は来るか。
オタゴのITMカップ開幕戦は、8月25日のノースランド戦だ。
トップリーグでは3年連続でベストフィフティーンに選出されているHO堀江翔太