天国か地獄か 来季トップリーグ参戦をかけたラストサバイバル
福岡と大阪で3月3日、来季トップリーグ参戦をかけた入替戦が行われる。今季11位と苦しんだサニックスは生き残りを目指し、トップウェスト優勝(トップチャレンジ4位)の豊田自動織機と対戦。トップリーグ挑戦1年目で12位だったNTTドコモは、トップイースト2位(トップチャレンジ3位)のクボタと激突する。
サニックスの中心となるのは、ゲームキャプテンを務める日本代表5キャップのCTB小野晃征。クライストチャーチ(ニュージーランド)出身の24歳は、キッキングとゲームメイクに定評があり、今季トップリーグのベストフィフティーンに選出された。オールブラックスのLOブラッド・ソーンはメンバーから外れたが、後半投入が予想されるWTBカーン・ヘスケスの突破力は脅威であり、地元サポーターの声援も有利となるはずだ。
対する豊田自動織機は、昨年日本代表入りしてワールドカップにも出場したSOマリー・ウィリアムスが鍵を握る。経験豊かな元日本代表のNO8斉藤祐也の存在も頼もしく、ベンチスタートながら7人制日本代表としてワールドステージで成長している新人BK坂井克行の走りにも注目が集まる。しかし、チームはトップチャレンジでディフェンスの甘さを露呈しており、サニックスの攻撃にいかに耐えるかもキーポイント。
わずか1年での降格を避けたいNTTドコモは、オールブラックスとして100キャップを持つFBミルズ・ムリアイナをベンチに温存させる。それでも、元日本代表主将のNO8箕内拓郎や、トップリーグ100試合出場を達成したPR久富雄一、日本代表3キャップのHO水山尚範などベテラン勢が先発出場し、南半球スーパラグビーの経験があるSOハミッシュ・ガードのキック力と、チーム最多の6トライを挙げたFLスティーブン・セテファノの突破力にも期待が集まる。チームは今季2勝1分10敗ながら、プレーオフに進出したNECから勝利を収めており、潜在能力は高い。
トップチャレンジシリーズでのトップリーグ復帰を逃したクボタだが、闘志は衰えていない。2月11日の豊田自動織機戦で4トライを挙げたFB伊藤有司のほか、サモア代表の主力として昨年のワールドカップに出場したCTBセイララ・マプスアと、日本代表3キャップを持つCTBカトニ・オツコロなどバックラインの破壊力は魅力。FWでは、スーパーラグビーのレッズで活躍したFLヒュー・マクメニマンの前進が不可欠であり、今季最後のサバイバルでチームを束ねるLO今野達朗のリーダーシップも重要となる。
決戦の舞台は、福岡がグローバルアリーナ(サニックス vs. 豊田自動織機)、大阪は近鉄花園ラグビー場(NTTドコモ vs. クボタ)。ともに13時キックオフ。
<過去5年間のリーグ戦成績>
【福岡サニックス ブルース】
・2007年度: 12位
・2008年度: 11位
・2009年度: 7位
・2010年度: 8位
・2011年度: 11位
※ すべてトップリーグ順位
【豊田自動織機 シャトルズ】
・2007年度: トップウェストA 4位
・2008年度: トップウェストA 2位
・2009年度: トップウェストA 優勝
・2010年度: 14位(トップリーグ)
・2011年度: トップウェストA 優勝
【NTTドコモ レッドハリケーンズ】
・2007年度: トップウェストA 5位
・2008年度: トップウェストA 4位
・2009年度: トップウェストA 2位
・2010年度: トップウェストA 優勝
・2011年度: 12位(トップリーグ)
【クボタ スピアーズ】
・2007年度: 8位
・2008年度: 6位
・2009年度: 6位
・2010年度: 13位
・2011年度: トップイーストDiv.1 2位
※ 2007〜2010年度はトップリーグ順位