【ラグリパWest】関西のチームが勝ってくれることがうれしい。 関西ラグビー協会 坂田好弘会長インタビュー
多くのカテゴリーで、ここ数年とは違う色のジャージーが躍動した2018-2019年シーズンの日本ラグビー。その中で強い印象を残したのが関西勢だ。真紅のジャージー、漆黒の軍団などなど、スタジアムを沸かせた。
その背景、この先について、関西ラグビー協会の坂田好弘会長に話をきいた。
■この2018年度シーズンは関西勢の活躍が目立ちました。大学以外はみな優勝しました(※1)。
関西協会の会長として関西のチームが勝ってくれることの方が、大阪体育大の監督をしていた時に勝つよりもうれしいです。
トップリーグのカップ戦でもトヨタ自動車が勝ちましたね(※2)。これまで、高校を除くとトップにくるチームは関東が多かった。そのことを考えれば、関西のラグビーが全体的にレベルアップしたと言えるでしょう。
※1
●第9回全国中学大会(太陽生命カップ)
決勝 東海大大阪仰星40-19茗渓学園
●第98回全国高校大会
決勝 大阪桐蔭26-24桐蔭学園
●第49回全国高専大会
決勝 奈良高専14 - 12神戸市立高専
●第55回全国大学選手権
決勝 天理17-22明治
●2018年度トップリーグ リーグ戦
決勝 神戸製鋼55-5サントリー
●同年度トップリーグ カップ戦
決勝 トヨタ自動車43-34サントリー
※2
静岡、愛知、岐阜、富山は関西協会管轄。
■天理大は明治大に5点差負けでした。
天理大は外国人留学生がいるものの、天理高をはじめ、関西の高校出身者を中心に構成されています。
大学選手権を見た中では、天理だけが質の違うラグビーをしていました。まず抜きにかかる。当たりに行くのではありません。もちろん、外国人留学生がいて、彼らを突破役に使ってはいるが、基本的にはライン全体でフラットパスやアングルチェンジを織り交ぜ、走るスペースを作り出していました。ラグビーをよく研究していましたね。
弟分の天理高も、体の小ささをカバーすべく、浅いラインを引いて、入れ違いで裏に出ようとしていました。全国大会の桐蔭学園戦ではトライを5つ取りましたね(※3)。敗れはしましたが見事な戦いぶりでした。
天理のラグビーは日本のチームが目指すべき方向を示してくれていると思います。
※3
天理高は準々決勝で桐蔭学園に29-44で敗れる。トライ数は同じ5だった。