国内 2019.01.01

バラバラで、ぶつかってしまう。だから強くなった

花園3回戦。石見智翠館、桐蔭学園に届かず

[ 編集部 ]
バラバラで、ぶつかってしまう。だから強くなった
桐蔭学園FWの足元にタックルに入るFL田中寛大は身長159センチ。石見智翠館主将(撮影:宮原和也)

 チームの最長身は190センチ。高2にして高校日本代表にも選出されたNO8武内慎は堂々の偉丈夫だ。

 その武内と身長差31センチ。このチームの主将、田中寛大(かんた)は159センチ、75キロの小兵だ。

 1月1日に東大阪・花園ラグビー場で行われた全国高校大会3回戦。石見智翠館は桐蔭学園に挑み、17-43で敗れた。

 対戦相手の桐蔭学園は、春の全国選抜大会優勝校。2日前の2回戦では、有力チームの大分舞鶴を67-7で破っている優勝候補筆頭だ。

 石見智翠館は格上相手に激しいタックルを連発し、前半は17-7と健闘し、逆転も狙えるエネルギッシュな内容でハーフタイムを迎えた。点差が開いた後半も観る者を魅了した。

「試合前のテーマは『強気に!』。後半に向けては『もっともっと強気に!』と声を掛けました」石見智翠館の安藤哲治(てつじ)監督が、悔しさを笑みで包んで振り返った。「いいチームでした。それを勝たせられなかったのは私の責任だと思います」

 勝負を左右したのは桐蔭学園が決めた二つのトライ。前半終盤から後半開始直後にかけて、ここぞとばかりに「王者」がもぎ取った。後半1分で24-7。その後8分にもフロントローがBKアタックに加わるトライを浴びて、31-7。ここで切れなかったのが、今年の智翠館だった。

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