国内
2016.12.11
明大が京産大に敗れ大学選手権3回戦敗退 慶大は抽選で準々決勝へ
第53回全国大学ラグビー選手権大会は関東・関西勢の上位チームも加わって11日に3回戦がおこなわれ、前回大会ベスト4の明治大(今季関東大学対抗戦A・3位)は京都産業大(関西大学Aリーグ・3位)に22−26で敗れ、姿を消した。慶應義塾大(関東大学対抗戦A・4位)は流通経済大(関東大学リーグ戦1部・2位)と31−31で引き分け、抽選で慶大が準々決勝進出となった。
東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた第1試合。勇敢な京産大が明大に真っ向勝負を挑み、逆転勝ちした。
京産大は14−19で迎えた53分(後半13分)、自陣深くのブレイクダウンでターンオーバーしてボールを回し、一気に敵陣へ攻め上がった。チーム一体となったアタックで17フェイズを重ね、NO8フェインガ・ファカイからのオフロードパスをもらったHO中川将弥がインゴールに持ち込み、同点。コンバージョン成功で逆転した。
その後、明大がPGで再び先行したが、京産大は67分、攻め込んできた相手に対してLO伊藤鐘平がディフェンスでプレッシャーをかけて落球させ、こぼれ球を拾ったWTB坂本英人が約80メートル独走し、再逆転。26−22。
京産大はこの試合、スクラムでも互角に渡り合った。
残り1分で明大は敵陣に入り、フェイズを重ねて22メートルライン内へ。ノックオンでいったん途切れたが、その前に京産大のペナルティがあり、PKで再開。逆転勝利を目指し必死に前へ進もうとした明大だったが、京産大も魂のこもった激しいタックルの連続で耐え、最後はブレイクダウンでFL李智栄がからんで相手の反則を引き出し、まもなくノーサイドの笛が鳴った。
大学選手権で京産大が明大に勝ったのは初めて。準々決勝進出となり、次は関東大学リーグ戦1部優勝の東海大に挑む。
花園でおこなわれたもう1試合は、同志社大(関西大学Aリーグ・2位)が中央大(関東大学リーグ戦1部・4位)を42−3と圧倒している。
前半11分、カウンターでブレイクスルーしたFB安田卓平をNO8末永健雄がサポートして先制。20分にはスクラムからのアタックをWTB松井千士がフィニッシュし、リードを広げた。27分にはハーフウェイ付近の密集から抜け出したPR海士広大がゴールまで力走し、同志社はさらに活気づく。SO永富健太郎のブーツで加点し、28−3で迎えた後半にも2トライを挙げ、3回戦を突破した。
同志社は17日に花園でおこなわれる準々決勝で早稲田大(関東大学対抗戦A・2位)と対戦する。
東京。秩父宮ラグビー場では流経大が奮闘したが、慶大が土壇場で追いつき、ノックアウトトーナメントで生き残った。
立ち上がりは慶大が良かった。マイボールキックオフで相手の動揺を誘い、攻め込んでアドバンテージをもらうと、SO古田京がディフェンス裏に蹴ったショートパントをCTB今成哲が確保して先制。12分にはラックサイドのギャップを突いたSH中鉢敦がゴールに持ち込み、リードを広げた。
対する流経大は23分、右外でボールをもらったWTBムゼケニエジ・タナカ・ブランドンが4人のタックラーを振り切ってトライ。36分にはラインアウトからのサインプレーが決まってNO8大西樹がゴールラインを割り、12−12と追いついた。
同点で迎えた後半、先に得点したのは慶大。47分(後半7分)、カウンターで敵陣深くに入り、ボールを継続してWTB柏木明が勝ち越しトライ。その2分後にはスペースを見つけた司令塔・古田がキックし、ボールキャッチしたWTB小原錫満が約70メートル走り切って追加点。
それでも流経大は食らいつき、53分過ぎのCTBシオネ・テアウパのグラウンディングは阻まれたが、直後のゴール前スクラムからNO8大西が持ち出してインゴールに押さえ、コンバージョン成功で5点差とする。さらに58分、ゴール前で慶大の堅い守りを崩し、CTBテアウパが粘ってFL粥塚諒につなぎ、同点トライが生まれた。
そして67分、流経大はいったんはターンオーバーされたもののすぐにボールを奪い返し、つないで敵陣22メートルライン内へ。左へ展開し、CTBテアウパがディフェンダーを引きつけ大外のWTB當眞皐につなぎ、トライ。31−24と勝ち越した。
時計は刻々と進み、79分が経過。粘る慶大は敵陣深くでのラインアウトからモールを組み、HO中本慶太郎が抜けてトライ。プレッシャーのかかるコンバージョンキックを2年生のSO古田が決め、31−31でノーサイドの笛が鳴った。
トライ数、トライ後のゴール数も同一であったため、試合後、両チームのキャプテンによって抽選がおこなわれ、結果、慶大の鈴木達哉キャプテンが「準々決勝進出権あり」の紙を引いた。
準々決勝に進む慶大は、17日に花園で、関西王者の天理大と対戦する。
秩父宮ラグビー場での第1試合では、1回戦から勝ち上がってきた九州王者の福岡工業大が関東大学リーグ戦1部・3位の大東文化大に挑んだが、12−95で完敗した。
目標としてきた聖地・秩父宮に立った福工大は、闘将のFL/NO8原田謙次を負傷で欠いたが、前半2分過ぎ、ゴール前でFWが肉弾となったあとWTB井手拓人がフィニッシュし、先制。追いつかれたあとの13分にはゲームキャプテンを務めたWTB池松佑眞が自陣10メートルライン付近でインターセプトして独走し、再びリードを奪った。
しかし、前回大会ベスト4で今大会も上位進出の力を持つといわれている大東大は、スピードとパワーで圧倒するようになり、計15トライで福工大のチャレンジを退けた。WTBホセア・サウマキは6トライを挙げる大活躍だった。
大東大は17日に秩父宮でおこなわれる準々決勝で、大学選手権8連覇を目指す帝京大に挑戦する。
トライを決めた慶大の小原錫満に駆け寄って喜ぶ廣川翔也(撮影:小林佳代)
中央大を下して8強入りした同志社大の松井千士(撮影:松村真行)
大東大(緑ジャージー)に果敢に挑んだ福工大(撮影:小林佳代)