最強軍団オールブラックス スピードと組織プレーで南アを圧倒
ニュージーランドのウェリントンで30日、南半球3カ国対抗戦「トライネーションズ」の第2戦が行われ、ニュージーランド代表がスピードとコンビネーションで南アフリカ代表を圧倒、6トライを奪い、40-7で今大会初戦に勝利した。南アフリカは先週末の開幕戦でオーストラリア代表にも敗れており、2連敗。
ペナルティゴールで先制したニュージーランド(オールブラックス)は前半12分、敵陣22メートル内での連続攻撃から、PRクロケットがこの試合最初のトライを挙げた。その2分後には、SOカーターがタイミング良いグラバーキックと鋭いランでチャンスメイクすると、WTBギルフォードがハーフウェイすぎからゴールまで走り切り、テストマッチ初トライを獲得。個々のハンドスキルが高く、横へのつなぎもラインブレイクも速いオールブラックスに対し、南アフリカ(スプリングボクス)はディフェンスが追いつかない。
それでも、2週続けての惨敗は避けたいスプリングボクスは29分、22メートル内でのラインアウトからゴール前まで攻め込むと、中央でタイミング良くパスを受けた主将HOスミットがポスト下に飛び込み、反撃のトライを挙げた。
しかしオールブラックスの勢いは止まらず、その約3分後、自陣10メートル付近でSHカウワンからのロングパスを受け取ったWTBジェーンが、3人のディフェンダーを振り切り60メートルを独走。前半に3本のトライを奪ったオールブラックスが、18-7とリードして折り返した。
後半に入ってもボールを支配し、スクラム、ラインアウト、タックルの成功率が高いオールブラックスは、磨きのかかった組織プレーなどでさらに3トライを追加。46分、ゴール前5メートルでのスクラムから、CTBノヌーの突進とSHカウワンのロングパスで相手ディフェンスを崩したあと、WTBジェーンが2本目のトライ。64分には、チーム全員の見事なサポートプレーをWTBギルフォードが締めると、その約5分後、ラインアウトからのサインプレーで攻め上がったあと、最後は途中出場のCTBスレードがトライを決めて勝負あり。
なおこの試合で、オールブラックスのSOダン・カーターは10得点を記録し、イングランド代表ジョニー・ウィルキンソンが持っていたテストマッチ通算得点世界記録(1195得点)を上回り、「1204得点」とした。
スプリングボクスはコンビネーションが悪く、ブレイクダウンでもフィジカルの強さを発揮できなかった。後半はテンポアップし、HOラレペラやNO8ロッソウの突進、FLジョンソンのハードタックルなど光るものはあったが、詰めの甘さは最後まで解消されず。SOランビー、FBステインという新たな試みも起爆剤とはならなかった。
母国では約20名の“1軍クラス”故障組が秘密のトレーニングをしているとの情報もある南アフリカだが、オーストラリアとニュージーランドに惨敗し、自信とプライドを深く傷つけた代償は、決して小さくはない。
一方、ワールドカップ優勝候補にふさわしいアグレッシブなラグビーを見せたオールブラックスは、8月6日に地元オークランドでオーストラリアと対戦する。