国内 2025.10.10

一人二役は「強いメンタル」で両立。平野龍[京産大/HO・FL]

[ 明石尚之 ]
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一人二役は「強いメンタル」で両立。平野龍[京産大/HO・FL]
180センチ、100キロのHO/FL(撮影:石井愛子)

 京産大の4年生、平野龍は一人で二役をこなす稀有な存在だ。
 背番号6で先発し、HOも兼任する。

 後半の途中からラインアウトのスローを託され、スクラムでは1列目の真ん中で8人の舵取り役を担う。

 ハーフタイム後にヘッドキャップを取るのは、気合いを入れ直すためだ。

 ここまで開幕から2試合連続でフル出場中。9月14日の摂南大戦での活躍が特に目を引いた。

 素早い上がりで相手にプレッシャーをかけて落球を誘い、攻めては2トライを奪取。ラインブレイクを決めた選手をサポートするなど、ハードワークが光った。

「フロントローは京産大ではエースナンバーです。誇りも感じますし、その分、責任もあります。FLとしては、もっとタックルしてアタックでも顔を出したいです。もっとハードワークしないといけない」

 大阪府出身。小学4年から東大阪ラグビースクールでラグビーを始め、新生野中を経て高校は実家を離れた。

 同じバックローで仲の良かった先輩の梁川晃輔(元流経大)を追い、札幌山の手に通った。
「中学の頃から体を当てるのが好きだった」が、雪国でその強みを増す。

 現在、東洋大で主将を務めるステファン・ヴァハフォラウと、練習後におこなう「1v1」が日課だった。
 3年時の花園2回戦では、敗れはしたがフィジカルが売りの大阪桐蔭を十分に苦しめた(7-22)。

 大学はFWを強みとする京産大に進む。関西に戻りたい気持ちもあった。
 そこで良き出会いがあった。

 2学年上に猛タックルで鳴らす三木皓正(現トヨタV)がいたのだ。
「高校まではアタックの方が好きでしたけど、京産に来てからタックルやブレイクダウンが好きになりました。それも皓正さんがいたからです」

 シーズン中盤以降にバックローでレギュラーの座を掴んだ3年時から、HO転向を見据えてスローの練習も始めた。
 本格挑戦の今季はサイズアップにも励む。5キロの増量で体重を三桁に乗せた。

「スクラム、少しは強くなったと思います。まだまだです」

 二つのポジションを両立するのは簡単ではないが、「強いメンタルで両立したい」と意気込む。

「(京産での)最後のシーズンなので、思い切り楽しみたいです」

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