一人二役は「強いメンタル」で両立。平野龍[京産大/HO・FL]
京産大の4年生、平野龍は一人で二役をこなす稀有な存在だ。
背番号6で先発し、HOも兼任する。
後半の途中からラインアウトのスローを託され、スクラムでは1列目の真ん中で8人の舵取り役を担う。
ハーフタイム後にヘッドキャップを取るのは、気合いを入れ直すためだ。
ここまで開幕から2試合連続でフル出場中。9月14日の摂南大戦での活躍が特に目を引いた。
素早い上がりで相手にプレッシャーをかけて落球を誘い、攻めては2トライを奪取。ラインブレイクを決めた選手をサポートするなど、ハードワークが光った。
「フロントローは京産大ではエースナンバーです。誇りも感じますし、その分、責任もあります。FLとしては、もっとタックルしてアタックでも顔を出したいです。もっとハードワークしないといけない」
大阪府出身。小学4年から東大阪ラグビースクールでラグビーを始め、新生野中を経て高校は実家を離れた。
同じバックローで仲の良かった先輩の梁川晃輔(元流経大)を追い、札幌山の手に通った。
「中学の頃から体を当てるのが好きだった」が、雪国でその強みを増す。
現在、東洋大で主将を務めるステファン・ヴァハフォラウと、練習後におこなう「1v1」が日課だった。
3年時の花園2回戦では、敗れはしたがフィジカルが売りの大阪桐蔭を十分に苦しめた(7-22)。
大学はFWを強みとする京産大に進む。関西に戻りたい気持ちもあった。
そこで良き出会いがあった。
2学年上に猛タックルで鳴らす三木皓正(現トヨタV)がいたのだ。
「高校まではアタックの方が好きでしたけど、京産に来てからタックルやブレイクダウンが好きになりました。それも皓正さんがいたからです」
シーズン中盤以降にバックローでレギュラーの座を掴んだ3年時から、HO転向を見据えてスローの練習も始めた。
本格挑戦の今季はサイズアップにも励む。5キロの増量で体重を三桁に乗せた。
「スクラム、少しは強くなったと思います。まだまだです」
二つのポジションを両立するのは簡単ではないが、「強いメンタルで両立したい」と意気込む。
「(京産での)最後のシーズンなので、思い切り楽しみたいです」

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