ブルズ3連覇の夢消える 80分間の死闘制したのはシャークス
MVP級の活躍を見せたパトリック・ランビー
スーパーラグビーのプレーオフ出場、最後の1枠をめぐる80分間の死闘が、現地時間18日に南アフリカのプレトリアで行われた。サバイバルを制したのはシャークス。敵地で南アの宿敵ブルズを26−23で破り、初優勝への望みをつないだ。この結果、昨年の王者ブルズは7位に転落し、3連覇の夢はついえた。
大一番で先制したのはシャークスだった。前半2分、FBパトリック・ランビーがペナルティゴール(PG)を決め、リズムをつかむ。その後、ブルズSOモルネ・ステインのPGで追いつかれたが、シャークスはランビーがPGですぐさま加点すると、元フランス代表のSOフレデリック・ミシャラクが続けざまに意表を突くドロップゴールを決め、王者ブルズを浮足立たせた。さらにシャークスは前半36分、自陣10メートルでのラインアウトから、WTBのJP・ピーターセンがブレイクスルーに成功すると、相手陣22メートル内でサポートのCTBステファン・テルブランシュにパスが渡り、トライ。前半終了間際にブルズがWTBゲルハルト・ファンデンヒーファーのトライで反撃し、16−13のシャークスリードで折り返した。
後半に入ると、互いにPGを1本ずつ決め、息詰まる攻防はラスト10分の戦いに突入する。そして後半33分、相手陣内で攻め込んだシャークスは、FBランビーの見事なダミーからCTBマイヤー・ボスマン、NO8ライアン・カンコウスキーとボールをつなぎ、最後はライン沿いを駆け上がったWTBルワジ・ンヴォヴォが左隅にトライを決めた。地元で負けられないブルズはその3分後、WTBにポジション変更したフランソワ・ホーハートがトライを奪い返し、ゴールも決まって再び3点差としたが、大逆転劇が生まれる時間は残っていなかった。
ワールドカップ、トライネーションズ、スーパーラグビー、カリーカップと、代表経験も豊富なブルズの中心選手はほとんどの栄冠を獲得し、燃え尽きがささやかれていた。今大会は前半8試合を4勝4敗と出遅れ、何とかプレーオフ争いまで調子を上げてきたものの、昨年までの勢いと勝負強さはなく、1試合平均23失点のディフェンスも最後まで建て直すことはできなかった。
シャークスは6月から途中加入したミシャラクの存在が好影響を及ぼし、20歳の万能BKランビーが成長したのも大きかった。プレーオフは1回戦からの出場となるが、百戦錬磨のベテランが多く、6位からの逆転優勝の可能性は十分ある。