キヤノン前主将の和田拓、今季はサポートと自身のプレー集中へ。
ブルー・ブルズ戦でプレーするキヤノンのBK和田拓(撮影:松本かおり)
日本最高峰トップリーグ(TL)には、選手同士で社会貢献活動などに従事するキャプテン会議というグループがある。ここで4代目の代表を務めるのが、キヤノンのWTB和田拓だ。チームがTLに初昇格した2012年度、慶大から入部して2季目ながら主将の重責を担っていた。今シーズンからその座をFB橋野皓介に譲ったが、キャプテン会議代表は昨季に続いて継続する。
7月31日、東京・町田市陸上競技場。貴重な敗戦を経験した。南アフリカのブルー・ブルズ(南半球最高峰スーパーラグビーのブルズでプレーする選手が軸)に3-50で敗れたのだ。「会場の雰囲気は楽しかったですけど…」チーム事情からSOを務めた和田は、「自滅」。格上を前に、普段通りの力を出し切る。その難しさを再確認していた。
「アンダープレッシャー(厳しい圧力を受けるなか)で、基本的なプレーを遂行できなかった」
自分たちを乱した相手の「プレッシャー」とは何か。「1対1で向かってくるなぁという感じも、すごく伝わってきた」。話を進めるなかで、密集戦での激しさについて言葉を紡いだ。
「1人ひとりの仕事が、しっかりとしていた相手は手足が長く、(球や選手への絡みつき方が)いつもと違う感じがしました。いつもならボールが出るところで出なかった」
キヤノンでは役職を離れた。「気持ちのうえで(今季は)自分のプレーに集中できる部分はある。それがいい方向につながっていけば」。ただ、リーダー経験者としてリーダーをサポートする役割も期待されていよう。
「主将をやってきた経験は還元しなければいけない。チームをよくするために、いろいろとやっていきたい」
グラウンド外では引き続き重責を担う和田は、グラウンド内ではフォロワーの立場で高みを目指す。