香港が2連勝。W杯初出場へ王手。2025アジアラグビーチャンピオンシップ

2027年にオーストラリアで開催されるワールドカップのアジア地区予選を兼ねる「2025アジアラグビーチャンピオンシップ」が、6月22日までに第2節を終えた。
大会連覇中の香港代表が22日、スリランカ代表をホームに迎え、12トライ78-7で退けた。第1節のUAE代表戦(43-10)に続き連勝、勝点10で首位に立つ。最終節(7月5日、韓国)で韓国代表に勝てば、初のW杯切符を手にする。
こちらも悲願のW杯出場をかける韓国代表は、21日にUAEと韓国・仁川で競い、残り10分余りで逆転され36-38で敗戦。1勝1敗、勝点7で2位だ。3位はUAE(同5)、最下位は全敗のスリランカ(同0)。
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6月22日の第2節では香港がスリランカを圧倒した。前半11分に右ラインアウトからモールを押し込んでHOカラム・スコットが先制の5点をマークする。GはSOネイト・ドゥティエリーが成功し7-0。
ここから香港のトライラッシュが続く。16分はラインアウトからボールを持ち出し、NO8ルーク・ファンデルシュミットが中央へ運ぶ。
3分後にはFBマテウ・ワーレーがトライライン越え。さらに23分にも仕留め切り26-0とする。30分はゴールキッカーも兼ねるWTBポール・アルティルが右ラインアウト起点のボールを中央へ。自らGをなんなく蹴り込み33-0とした。
スリランカ唯一の得点は38分だった。キックリターンで左WTBエカナヤケが香港エリアで大きくゲインする。22メートル線手前でフォローした右WTBバンダラへ渡すと、左中間トライゾーンへ走り切った。Gも決めて38-7で折り返す。
しかし後半も香港の勢いは止まらず。3分、WTBポール・アルティルが右隅に2トライ目(38-7)。15分はFBワーレーもスリランカ陣10メートルの左ラインアウトからボールを継続し2トライ目を記録した(45-7)。
さらに23分、37分にNO8シュミットがトライラインを越え、ハットトリックを決める。WTBアルティルも40分にハットトリックで続き、78-7に。W杯に王手をかけた。
前日の21日、韓国はUAEに逆転された。試合はUAEがパワーある攻撃で試合開始から支配。11分、左ラインアウトモールを押し込みHOセジーンが先制のトライを挙げると、SOジョンソンのG成功で7-0。20分にはUAEが自陣スクラムからフェーズを重ね、右WTBヴォラヴォラが1トライ目、Gも決めて14-0とリードした。
韓国は、約1000人の応援を受け意気込みはあるものの、攻守が空回りしていた。ようやく27分に右ラインアウトモールを得て押し込むと、UAEが崩しペナルティトライで7点をマーク(7-14)。
5分後には自陣から継続しUAE陣へ。FLオ・ノクギがボールをゴール前へ運ぶと、SHホ・ジェジュンがラックから持ち出してポスト左へ置いた。GはFBチャン・ヒョングが蹴り込み追いついた。

さらに36分、ラインアウトモールからゴール前へ。最後は元NTTコムの左WTB張ヨンフンが仕留め切った。G成功し、初めて21-14とリードする。
しかし粘るUAEも前半終了前、39分にCTBスタプレーが中央へ運び、21-21の同点でハーフタイムへ入る。
前節、後半の入りが悪くスリランカに2トライを許した韓国。この日は改善した。
1分、22メートル線外の左ラインアウトから進めて最後はFL朴ジョンヨンが勝ち越しトライ(26-21)。6分にはPR李ヒョンスが左中間へ連続トライで続き、33-21と12点差にした。
18分、UAEがFLジェーンズのトライで5点を返すも25分、韓国はUAEゴール前のPKをFBチャンがPGで確実に3点を加えた(36―26)。
韓国は後半にベテランLO、元神戸Sの張ソクファンらを投入し逃げ切る態勢だった。しかしこの思惑を打ち砕いたのがUAEのWTBヴォラヴォラだ。29分、韓国ディフェンス網をくぐり抜けて改装し、左中間へ2本目のファイブポイント。G成功し33-36へ。

2分後、韓国がUAE陣で右ラインアウトを得る。投入のミスでボールはUAEへ。UAEがグランドを広く使い素早く右へ動く。ヴォラヴォラが22メートルへ入ったところでラストパスを受けてそのまま逆転のハットトリックをものにした(38-36)。
残り3分、韓国はラインアウトモールを押し込むもモール内でノックフォワード。試合はUAEが守り切りノーサイドとなった。
韓国は最終節で香港に勝てば勝点12となり1位通過できる。敗れれば7月4日のUAE×スリランカの結果次第で2位か3位に。UAEは勝てば2位の権利を得てW杯最終予選へと道が開く。
【第1節は韓国と香港が先勝】

開幕カードはスリランカ代表と韓国代表が対戦(6月13日、スリランカ・コロンボ)。前半36分、韓国がFLノ・オクギのトライで14-10と逆転する。しかし40分、スリランカWTBバンダラがトライゾーン左中間へ入ると中央へ回り、17-14と逆転で後半に。
「試合の入りの場面で、ゲーム経験の少なさが影響した」。韓国のユ・ヨンナムFWコーチ(埼玉WKアドバイザー)の言葉通り、後半の入りが悪かった。
開始20秒、スリランカキックオフのボール。韓国FBチャン・ヒョングが蹴り返すもこれをチェイスし走り込むFLティラカラテンがチャージ。こぼれたボールを自らインゴールへ蹴り、押さえた。
5分には、自陣から継続。SOラトヴァテがゲインし22メートル線でSHジャンセンへラストパス。そのまま右中間へ持ち込む。Gは失敗も29-14と15点リードした。
ここから韓国が反撃。7分にキックリターンからインサイドCTB22番の金ナンウクへ。右WTB14鄭ヨンシク(元日野)へ渡し、さらに22へ返して中央へ仕留め7点を奪う。
13分は22から14。14から22のリターンで右隅トライライン前へ運ぶ。ラックで右LO張ソクファン(元神戸)がねじ込んだ。14と22は20分にもパス交換で14が右隅にトライライン越えし逆転(31-29)。
スクラムで優位に立つ韓国は29分、敵地ゴール前5メートルの反則を得るとスクラムを選ぶ。迷わず押し込みコラプシングを誘いペナルティートライになる。38-29。
スリランカは36分に左WTBエカナヤケが5点を返すも、38-34で終えた。

翌14日はUAEドバイでUAEと香港戦。香港が後半3トライで43(前半22―10)10と突き放し勝利した。
前半4分、まずは22メートル左中間のPGを香港SOネイト・ドゥティエリーが決めて3-0。14分、ゴール前5メートル外の左ラインアウトモールを押し込みHOアレックス・ポストが押さえた。G成功し10-0に。
UAEは力ずくのプレーが目立つ。20分過ぎからようやく香港エリアへ。24分、左ラインアウトモールからゴール前ラックで攻めるとFLジェーンズがポスト左へ仕留める。GはSOジョンソンが決めて7-10と3点差へ。
1分後、香港は自陣からの攻撃、左WTBハリー・セイヤーズが左サイドで大きくゲインしUAE陣へ。ここから中央・右へつなぐと右WTBマックス・デンマークがトライライン越え(15-7)。
UAEは31分にSOジョンソンがPGで3点を返し10-15と粘るもここまでだった。37分、香港は優位なラインアウトモールを押してPRキーラン・チャップマンが決めた。
22-10で迎えた後半9分、香港FBマテウ・ワーレーが中央へ持ち込み29-10に。18分には右ラインアウトモールをUAEが崩し、古瀬健樹レフリーは香港にペナルティトライを与えた。
29分、香港は自陣中央線から右CTBベン・アクステンバレットが侵入、左CTBトム・ヒルへ。SOドゥティエリーを経由し左ライン際をフォローしたHOカラム・スコットが左隅へダイブする。G成功し43-10。残り10分も香港が支配した。