国内 2015.07.02

釜石のレジェンド 森重隆氏が九州協会会長に就任 まずは1万人動員だ!

釜石のレジェンド 森重隆氏が九州協会会長に就任 まずは1万人動員だ!

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九州ラグビー協会の会長に就任した森重隆氏(撮影:Rugby Republic)

 豪快で明るい、頼もしきリーダーが九州ラグビー界の先頭に立つ。新日鐵釜石でCTBとして活躍し、主将、プレーイングマネージャーも務めて日本選手権7連覇のうちの4連覇を遂げたレジェンド。日本代表の元キャプテンでもある森重隆さん(63歳)が、九州ラグビーフットボール協会の新会長に就任した。日本協会の副会長も兼任する。

「大役を仰せつかりまして、非常に光栄に思いますと同時に責任の重さを感じております」

 7月1日におこなわれた就任会見でそう語った。
 取り組むべきことはたくさんある。特に、福岡、大分、熊本でも開催される2019年のラグビーワールドカップに向けて、盛り上げていくことが大きな使命だ。
「九州においての(ラグビーワールドカップに関する)認知度はかなり低い。地域協会の人たちとも話し合いながら、手をつないで広めていきたいと思っています。まずは8月22日、ワールドカップに出場する日本代表の壮行試合(ウルグアイ代表戦)が福岡・レベルファイブスタジアムでおこなわれる。それに観客を集めて、2019年の弾みになるようにやっていきたい。(会長職の任期は)1期2年。でも2019年まではやろうと思っています」

 5月に同会場であった日本代表×韓国代表戦は、ポスター配布など準備の遅れもあって、観客数は約4500人と寂しいものだった。
「ジャパンはエディーさん(ジョーンズ ヘッドコーチ)のもと、かなり強くなっている。期待が持てる。でも、バックスタンドがいっぱいにならないと応援は盛り上がらない」と新会長。壮行試合当日は、日本代表が合宿をおこなう宮崎から応援する人たちを乗せたバスが数台出る予定で、ワールドカップ開催地の福岡、大分、熊本も含めて、大動員を図る。目標は1万人以上。2019年に向けて、「九州はひとつ」となって動き出す第一歩だ。

 九州はラグビーが盛んな土地として知られる。特に福岡は、ラグビースクールは全国どこの地域よりも発展していると言われ、高校は東福岡高校を中心に全国レベルだ。しかし、才能ある多くの若者が関東や関西の大学に進学するため、九州の大学ラグビーは下火になっているのが現状である。また、宗像サニックスと九州電力がトップリーグから降格し、その日本最高峰リーグに参戦する九州のチームは、今年度はコカ・コーラのみとなったのも寂しい。かつてラグビー王国と言われた九州で、人気に陰りを感じている森会長は、地元の活性化を願ってやまない。
「高校生やちびっこだけではなくて、おじいちゃんやおばあちゃんも、みんなに、もっとラグビーを身近に感じてほしい。『あしたはコーラとサニックスの試合があるんだ』『じゃあ観に行こうか』というような会話がされる地域になってほしいです」

 名指導者でもあった森さん。1993年(平成5年)から22年間、母校・福岡高校のラグビー部監督を務め、2010年度の第90回全国高校大会で花園に導いた。しかし、九州協会の新会長となり、6月30日をもって福高ラグビー部監督退任を決意する。でもこれからも、「口は出したいと思います」と語り、豪快にガッハッハと笑った。

 エネルギッシュで、とにかく明るい。森会長は最高のムードメーカーでもある。理念は、まだうまく言葉にできないけれど、「みんなでガッと、一緒にやりましょうや」という思いが強い。いろんなことが動きそうな気がする。
 
 会見終了後、「最後にもうひとつ」とマイクに近づき、こう言った。
「専門のラグビー場を造りたい。花園ラグビー場(大阪)、秩父宮ラグビー場(東京)とかあるんですけど、福岡にはないんです。ラグビー専門の球技場を、ぜひとも、行政と一緒にできればなと思っています。どうしても、東京と大阪に負けたくないんで」

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