1部では待ったら負け。D-Rocksの竹内柊平、自ら選んだ厳しい道。
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様子が違っていた。
ジャパンラグビーリーグワンの浦安D-Rocksは今季、初昇格した1部でここまで9戦8敗。27歳で右PRの竹内柊平は、「率直に、レベルが高いです」と述べた。
21年度には、前身のNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安の一員として1部に参加。当時といまとでは、各クラブの戦力やフィジカルレベルに違いがあるという。
「感じるのは、リザーブの8人までレベルが高い。(過去は)強い15人(先発)がいて、セカンドオプションの選手がリザーブにいる感じ。いまは(23人の)それぞれに役割がある。選手交代で(質が)落ちることが全くない。簡単には勝てない。いい学びになっています」
話をしたのは2月23日。山梨JITリサイクルインク スタジアムでのことだ。
旧トップリーグで5度優勝の東京サントリーサンゴリアスとの第9節を、35-40で落としていた。
その直後、向こうのお家芸である連続攻撃へ言及した。
後半19、33分の失点シーンでは、チームでひたすらにタックルを重ねながらも向こうの粘り強いアタックに寄り切られた。接点で少しずつ前に出られたり、わずかなスペースに球を通されたりして失点した。
「すごいっすね…。すげぇな、と思いました」
途中出場した竹内は、向こうのしぶとさに脱帽する。元スコットランド代表主将であるグレイグ・レイドロー新ヘッドコーチから聞いた言葉を踏まえ、こう続ける。
「(1部では)待っているだけでは何も与えてもらえない、自分たちから勝ち取らないといけない…と。(件の失点場面では)何フェーズも我慢できたけど、ダブルヒット(2人がかりのタックルで向こうへ押し返した局面)はいくつあったのか? 自分たちがコントロールできたもの(接点)は何本あったか? そう聞かれると、それらは少なくて…」
タフなバトルにあって、局面ごとに先手を取るべしと再確認した。3月2日の第10節以降を見据え、こうも語った。
「(終盤に)疲れると集中力が切れると、各々が好きなことをやってしまいがち。ただ、それぞれにはチームの役割があって、それを実行できるか(が大事)」
昨年は飛躍した。日本代表で多くのテストマッチでメンバーに抜擢され、通算キャップ数を13とした。
約9年ぶりにジャパンへ復職のエディー・ジョーンズヘッドコーチからは、元気印として期待される。今年1月にもジョーンズと会う機会があり、助言をもらった。
「一貫性がないところが癖。癖は日々の積み重ねで作る。だから、日々の積み重ねで(悪い癖を)治していこう。…と、言われて、えげつ(な)いトレーニングメニューを渡されました!」
その「えげつ(な)い」の中身は、ウェイトトレーニング、ランニングの強化セッションのようだ。普段のチームスケジュールと両立する計画を自ら考えるよう促され、あれこれと考えたのちに「張り切って提案」。ジョーンズにも了承されたその内容を冷静に振り返ると…。
「これ、やばいな」
自由意思で険しい道を選び、己を磨いている。「楽しいです」と強調する。