熱戦続くリーグワンD1の観客数中間査定。W杯後の昨季に次ぐペースで推移。
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再編後、4季目のシーズンが展開されているNTTジャパンラグビーリーグワン。各ディビジョンで僅差の試合が続く中、今季からレギュラーシーズンの試合数が16から18試合に増えたD1は先週末で折り返しの第9節が終了した。
7点差以下の試合は54試合中23試合で42.6%。途中経過ではあるが、これは過去のシーズンと比較して最も高いパーセンテージだ。今季の“熱”は観客数に結びついているのか、記録を振り返ると2023-24シーズンに次ぐペースであることがわかった。
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今季ここまでのD1の観客数の総数は415,139人。1試合あたりの平均は7,688人という数値となっている。過去3季で最もレギュラーシーズンの観客数が多かったのは2023-24シーズンで857,191人(1試合平均8,929人)。2023年W杯後に開幕したシーズンという“特需”も押し上げの要因となった。試合数が異なるため1試合平均を基準とすると、今季はこのシーズンに次ぐペースで観客数が推移している。
各チームの状況はどうか。ホストゲーム数に差があるため1試合平均観客数で比較すると、三傑は東京サントリーサンゴリアス(12,811人)、横浜キヤノンイーグルス(11,733人)、東芝ブレイブルーパス東京(10,134人)という結果が出ている。ホストエリアを首都圏に置く地の利を生かし、スタジアムへの動員を高めているようだ。
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各チームの実力が拮抗し、どちらが勝つかわからない「筋書きのないドラマ」としての魅力が増した今季のリーグワンだが、観客数という指標においては過去最高ペースには至っていない。スポーツエンターテインメント(ビジネス)として持続的に発展するためには社会的な注目が欠かせない。“熱”を伝播する役割を担うべきメディアの一員として何ができるか、考えをめぐらせたい。