フィジー W杯ボイコットか !? 同国オリンピック委員会会長が強気発言
フィジーが9月開幕のラグビーワールドカップ(W杯)をボイコットするかもしれない。
『RADIO FIJI』によれば、フィジー・オリンピック委員会のラカン会長が31日、ラジオ放送でその可能性を示唆し、「フィジーのベストチームをW杯に送りこむために、IRB(国際ラグビーボード)はフィジー代表の試合をニュージーランドではなくフィジーで開催すべきだ」と訴えた。もしそれができなければ、ボイコットを真剣に考えるという。
2006年12月、フィジーではフランク・バイニマラマ軍司令官によるクーデターが起き、軍事政権が誕生。以来、民主化への対応をめぐってオーストラリアやニュージーランドとは対立状態にあり、ニュージーランド政府はフィジーのすべての軍人やその家族に対し、入国を禁止している。W杯に挑むフィジー代表候補50名は6月4日に発表される予定だが、なかには軍人選手も含まれているといわれ、ニュージーランドとフィジーの両国、そしてIRBの対応が注目されている。IRBはニュージーランドに対し、W杯期間中の柔軟な措置を求めたが、ジョン・キーNZ首相が応じる気配は今のところない。
サッカーの世界では、2007年に行われたW杯オセアニア予選で、フィジー代表ゴールキーパーに対してニュージーランドへの渡航ビザが発給されず、FIFA(国際サッカー連盟)が仲裁に入って、試合会場をフィジーに移した例がある。
フィジー・ラグビー協会は財政難にも直面しており、IRBに資金援助を求めているが、もし強硬姿勢を取り続ければ、最悪の場合はW杯からの追放もあり得る。
2007年ラグビーW杯でベスト8入りを果たしたフィジーは、2011年大会ではプールDに入り、南アフリカ、ウエールズ、サモア、ナミビアとの対戦が予定されている。