名物監督の節目に約500人が集結。京都成章・湯浅泰正前監督勇退記念パーティー開催。
みんな高校時代に戻ったかのようだった。
京都成章高校ラグビー部を36年間にわたって率い、2023年1月に退任して総監督となった湯浅泰正先生(現・京都成章高校校長)の勇退記念パーティーが、6月1日に京都市内のホテルで開催された。
激戦区の京都で当時無名だった京都成章の監督に就任し、旺盛なチャレンジ精神とアイデアに満ちたコーチングでクラブを全国屈指の強豪に育て上げた湯浅前監督。高校ラグビー界の顔のひとりとなった名物指導者の節目を祝福するために、この日は関崎大輔・現監督をはじめとするチーム関係者や多くのOB、現役選手、さらには全国各地の指導者仲間など500名近くが集結し、笑顔にあふれる時間を過ごした。
パーティーでは湯浅前監督の足跡を振り返る17分間のムービーが上映されたほか、ラグビージャーナリストの村上晃一氏、「ラグビー わんだほー!」MCの浅野杏奈さんの進行で、参列した高校ラグビーの名将たちが湯浅前監督との思い出を振り返るトークショーも実施。親交の深い御所実・竹田寛行監督や東海大仰星の土井崇司前監督、東福岡の藤田雄一郎監督、そして帝京大の岩出雅之前監督、常翔学園の野上友一前監督らが次々とステージに上がり、ユーモア満載のエピソードを披露して会場に笑いの渦を巻き起こした。
中でもひときわ盛り上がったのは、ライバルとして数々の激闘を繰り広げてきた伏見工(現・京都工学院)の高崎利明前監督が登壇した時で、今だからこそ明かせる数々の貴重な裏話や逸話が紹介され、湯浅前監督の人柄が浮かび上がる貴重な機会となった。
多くのトッププレーヤーを輩出してきただけに駆けつけたOBの顔ぶれも豪華で、2007年のW杯に出場し今季限りでの引退を表明した矢富勇毅(静岡BR)や、W杯2大会に出場した埼玉WKのキャプテン、HO坂手淳史らも出席。京都成章のジャージーと同じデザインの揃いのTシャツを着てステージで花束を贈呈し、恩師の節目を祝った。
式典の最後にマイクの前に立った湯浅前監督は、「私の中で忘れられない時間をいただきました」と感謝の思いを口にし、「校長業という不慣れな立場で、また新たな挑戦をしていきたいと思います。真っ向勝負で成章高校を盛り上げていきたいと思いますので、応援のほどよろしくお願いします」と今後への決意を述べてパーティーを締めくくった。