優勝を置き土産に… パナWTB山田、渡豪前にTL決勝で「…を証明したい」
日本代表10キャップ(国同士の真剣勝負への出場数)でパナソニック所属のWTB山田章仁は、2月1日、東京・秩父宮ラグビー場で日本最高峰のラグビートップリーグ(TL)のプレーオフ(PO)決勝に臨む。リーグ戦上位4強による頂上対決の最終戦後は渡豪し、南半球最高峰のスーパーラグビーでのプレーに備える見込みだ。
――大舞台に臨む気持ちは。
「よりシンプルになった」
チームは30日、群馬・太田市の本拠地グラウンドで午前、午後の2部練習をおこなった。合間の休憩時間、スーパーラグビーのフォースに加入するWTB山田は自らの心境を明かしている。慶大や前所属先のホンダで留学を繰り返すなど強い海外志向の持ち主も、国外でのプロ生活は未体験。憧れの舞台に向け、「自分のいいところを出して、初めてスタートラインに立てる。ミスをしても乱れないようにする、とか、いいところを出すために自分をコントロールする必要がある」と展望を語った。
「周りの皆の特徴を知るのも大事ですけど、その皆に自分をアピールしないといけないとも、ひしひしと。実感…。まだわいてないですよ。もうちょっとわくわくすると思っていたんですけど、いまはやらないといけないこともあるので、それをしっかりやってから、って感じですかね」
いまの「やらないといけないこと」は、もちろんTLPO決勝への準備だという。相手のヤマハについては「グラウンドを広く使う。キックが上手い。バランスがいい」と印象を抱き、同学年で日本代表副将(43キャップ)のFB五郎丸歩をキーマンと捉えている。もっとも、注視すべきは自分たちのプレーだとし、「(自軍は)1人ひとりのいい判断が集まった感じ。メンバーが揃えばいい試合ができる」。過去には2回、POのMVPに輝いているが、真に得たいものは個人タイトル獲得以上の喜びだ。
「(MVPは)取りたくないわけではないですけど、それよりも1つ1ついいプレーをして、チームが勝てればいいかなと。楽しみですよ。優勝がかかった試合は、なかなかできないから。出られないメンバーの気持ちもわかる。そのために何をしなきゃいけないか。パナソニックの出られないWTBが…いい選手であると証明したい気持ちはありますし。いつも思うんですけど、(試合は)発表会みたいなもの。チームにとっても、個人にとっても。やってきたことしか出せないし、学んだことを出せればいいかなと。(スーパーラグビーでの日々は)こういう大きな発表会が続くという流れでしょうかね」