国内
2015.01.25
サントリー、持ち味活かすための「我慢」で近鉄を退ける!
日本選手権のタイトル獲得に望みをつないだサントリー(撮影:松本かおり)
<トップリーグ ワイルドカードトーナメント 1回戦>
サントリー 24-16 近鉄
(2015年1月24日/東京・秩父宮ラグビー場)
今季5位も一昨季王者のサントリーは、攻撃に哲学を持つ。球のありかの周りで複数の選手が躍ることで、相手守備網を錯乱させたかった。
後半節下位グループだった近鉄は、その思惑を踏まえて下克上を図る。
前半から接点へ身体も、腕も差し込む。その周りに立つ面子も、標的の相手走者を確認し合っていた。
アタックではおとり役もフル活用し、死角へ鋭いパスをつないだ。30分、守備網と十分に間合いを取ったWTBアンドレ・テイラーが駆ける。しなやかに勝ち越し点を取った。
174センチと小柄な黒子役、CTBジーン・フェアバンクスの弁だ。
「いいタックルを高いワークレートで。外に回すため、深く、幅広く」
8-13で迎えた後半、サントリーは役割分担を整理した。自前の哲学を実践すべく、渋滞気味だった接点は「1人ひとり前を見て、相手がいるかどうか(を確認して参加を決めた)」とCTB松島幸太朗。その先に、11分、26分のトライがあった。
「サントリーさんの粘りと意地に屈した」と敗れた前田隆介監督が語る一方、勝った大久保直弥監督は。
「やるべきことをやり続けるには、我慢が必要」
(文:向 風見也)