パナソニックが「苦いレッスン」経て東芝を圧倒! TLプレーオフ決勝進出
(撮影:松本かおり)
20分で決着をつけた。
トップリーグ・プレーオフトーナメントLIXIL CUPの準決勝(第2試合)、パナソニック×東芝が1月25日に秩父宮ラグビー場でおこなわれ、50-15でパナソニックが快勝した。2月1日におこなわれるファイナルで、ヤマハ発動機と戦う。
勝者はキックオフ直後から全開だった。ブレイクダウンで優位に立ち、前へ前へと出続ける。FL西原忠佑がインゴールに入るまでに1分しかかからなかった。互いにPGを決めた後の16分には左ラインアウトから追加点を奪う。SOベリック・バーンズがタテに走り、相手のタックルを受けながら内側にオフロードパス。ショートサイドに立っていたWTB山田章仁が走り込み、約40メートルを走り切った(ゴールも決まって17-3とリード)。
今季、東芝に2度負けているパナソニック。過去の対戦を「苦いレッスン」と言ったロビー・ディーンズ監督は、「きょうは選手たちが特別なプレーをしてくれた」と試合を振り返った。HO堀江翔太主将は「(2度の敗戦で)大切なものを学ばせてもらった。メンタルが大事なんだ、と。きょうは、自分たちのストラクチャーを信じて戦った」と話し、その集中力が立ち上がりの圧倒を呼んだことをうかがわせた。
「2人目の役割を明確にしただけ。ボールを越える、絡む、捨てる。各自のその判断が素晴らしかった」
主将は特別なことは何もしていないことを強調した。
前半25分、ターンオーバーから攻めたてトライを加えた(WTB北川智規)パナソニックは、37分にPGで加点すると、38分には自陣深くから攻める。相手のこぼしたボールを手にすると東芝陣に蹴り込み、チェイスした北川がまたもトライ。前半で37-3と大きくリードし、試合を決した。ディーンズ監督は、「こういうビッグゲームでは経験豊富な選手たちの存在が効く。みなさん目撃したでしょう」と笑った。
後半にFWが奮起した東芝は、スクラムで圧力をかけてペナルティトライを奪うなど2トライを返して意地を見せた。しかし、ゲームキャプテンを務めたFLリーチ マイケルは、「応援してくれているファンに対し、恥ずかしいゲームをしてしまった。ごめんなさいとしか言えない。東芝の強みを出せなかった。いいランナーを止められた。モールも止められた。スクラムも(思うようには)やらしてくれなかった。(冨岡鉄平ヘッドコーチが言うように)パニックになって、どう立て直すか対応できなかった」と唇を噛んだ。
「上を向いて、(日本選手権で)もう一回東芝の強さを見せたい」
そう声を絞り出すのがやっとだった。