中村知春が東北楽天イーグルスの始球式に登場。梶木真凜はファンの前で挨拶、そして弾丸パス
アスリートの魂はどんな状況でも出る。
中村知春は、緊張してうまくいかないのが当たり前のプロ野球の始球式でも、投球がワンバウンドになったことを悔やんだ。
「投げた瞬間の静寂、その空気に圧倒されました」と話した。
4月13日(土)、仙台市の楽天モバイルパークでおこなわれた東北楽天イーグルス×千葉ロッテマリーンズの試合にサクラセブンズの中村と梶木真凜が登場した。
中村は始球式のマウンドに上がり、梶木は野球ファンの前でサクラセブンズとパリ五輪の存在をアピールするメッセージを発信した。
この日は、ラグビー女子日本代表のオフィシャルスポンサーである青南商事が年に一度実施する、「SEINANデー」の日だった
2人はこの日、朝からスタジアムに入った。
まずはイーグルスの打撃練習をグラウンドレベルで見つめ、球場のさまざまな施設を見学する。イベント出演の時間を待った。
まずは特設ステージに上がり、トークとパス、タックルを実演。梶木のパスは「受けてみたい」と言った男性MCの両手をすり抜けて頬にめり込む。
その光景にファンは驚き、続いておこなったタックルの迫力に拍手を送った。
FM放送(Rakuten.FM TOHOKU)にも出演した2人は、男性ラジオパーソナリティーの質問に答え、場を和ませた。
中村は小4から中2まで仙台に住んでいたこと、バスケットボールをプレーしていたことを話し、「体をぶつけ合っていいラグビーは楽しい」とアピール。梶木は、「体が弱かったので土にまみれて強くなるように、と両親にすすめられてラグビーを始めた」と明かした。
そして、プレーボール直前の本番では大勢のファンの前で堂々と話し、投げた。
「滅多にできない経験。楽しかった」と声を揃えた2人は、大役を終えた後はスタンドから試合を見つめた。
2016年から始まったSEINANデーの始球式には、これまで多くの選手たちが参加してきた。年に一度、楕円球女子がやって来る日を楽しみにしているイーグルスファンも多くなってきた。
初年度の2016年は清水麻有が投げた。
その翌年から昨年まで、齊藤聖奈、堤ほの花、藤本麻依子、佐藤優奈、マテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェ、堤(2回目)、平野優芽がマウンドに立った。
中村と梶木は、試合開始の何時間も前からやって来るファンの熱心さと、その人たちを何時間も楽しませることができるボールパークの光景に触れ、「この空気をラグビーでも」と言った。
この日の経験を周囲に伝え、自らも動くことで、自分たちのフィールドも変えていけたら、と考える。