前王者スピアーズ、勝利逃しプレーオフは絶望的に。24点リード守れずブルーレヴズと引き分け

ミラクルを起こすためには、残り4試合をすべて勝たなければならなかったリーグワン前王者のクボタスピアーズ船橋・東京ベイだが、24点リードで折り返しながら勝利を逃し、プレーオフ進出は絶望的となった。4月13日に静岡市のIAIスタジアム日本平で静岡ブルーレヴズと対戦し、31-31の引き分けに終わった。
8位のスピアーズはこれで5勝1分7敗(総勝点29)。ブルーレヴズはドローに持ち込んだものの、6勝1分6敗(総勝点31)で順位はひとつダウンの7位となり、4位・横浜キヤノンイーグルス(総勝点43)との差は開いた。
前半はスピアーズに勢いがあった。
おそらく、日本での残り数試合で現役を終えるニュージーランド出身の世界的フッカー、デイン・コールズが攻守に奮闘してチームを鼓舞すると、12分、連続攻撃からLOルアン・ボタが突破し、コールズ、そしてキャプテンのCTB立川理道とつないで先制トライを挙げた。
スピアーズは15分にもチーム一体となってテンポよくつなぎ、CTBテアウパ シオネが切り込んで追加点を獲得。
リスタート後には自陣深くからLOボタがブレイクして力走で大きくゲインし、FL末永健雄がサポート、すぐにリサイクルしてたたみかけ、連続オフロードからSOバーナード・フォーリーがフィニッシャーとなった。
さらに、21分にはPR海士広大のジャッカル成功で敵陣に入ると、ラインアウトのロングスローから展開してWTB根塚洸雅が躍動し、SH藤原忍につないで4連続トライとなった。
その後、ブルーレヴズに7点を許したものの、31分には相手のパスの乱れからボールを手にしたオレンジジャージーの9番・藤原が切り返しでゲインし、サポートしたFB島田悠平がハーフウェイからゴールへ走りきり、スピアーズは31-7と24点リードして前半を終えた。
だが、アイスタ(IAIスタジアム日本平)開催ゲームでファンの期待に応えたいブルーレヴズが後半盛り返し、49分(後半9分)、安定しているスクラムからの攻撃でCTBシルビアン・マフーザがブレイクし、ポップパスをもらったNO8シオネ・ブナがインゴールにねじ込んだ。
さらに、58分にも連続攻撃でゴールに迫りペナルティを得ると、CTBチャールズ・ピウタウがクイックタップで仕掛け、トライを決めた。
12点差に詰められたスピアーズは、前半とはガラリと変わってミスが続くようになり、71分には反則の繰り返しでイエローカードを提示されてしまう。そして、その2分後にはSOフォーリーが危険なタックルで退出を命じられ、13人になってしまった。
流れが変わり、数的有利となったブルーレヴズは74分、スピーディーなアタックでWTBマロ・ツイタマが左隅にトライを決め、厳しい角度からのコンバージョンをWTBキーガン・ファリアが成功し、5点差に詰めた。
勢いづくブルーレヴズ。
しかし、78分にもチャンスを作ったが逃し、スピアーズがこのまま逃げきるかと思われた。
ボールキープで残り時間を消化していったスピアーズ。カウントダウンに入り、ラストワンプレーで外に蹴り出せば終わりというところまできた。だが、ブルーレヴズはあきらめず、土壇場でターンオーバー。そしてゴール前でラストチャンスをつかむと、摂南大学出身のルーキーLOヴェティ・トゥポウがトライを決め、同点となった。勝利を逃したスピアーズは呆然。ブルーレヴズにとっては、後半の奮闘を大逆転劇で締めくくりたいところだったが、しかし、ファリアのコンバージョンは外れ、両チームが死力を尽くした戦いは引き分けでノーサイドとなった。