入部早々デビュー→3戦目で初先発 ブラックラムズ山本嶺二郎は「自分にフォーカス」
入れ替えを示唆した。
4月6日、リコーブラックラムズ東京のピーター・ヒューワット ヘッドコーチは、国内リーグワン1部の第12節を落としてから「リザーブメンバーはいいパフォーマンスを見せてくれた。どうすべきか、何をすべきかをスターティングメンバーに示してくれた」と話した。
この日は東京・駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で、順位が5つ上だった横浜キヤノンイーグルスに12-31で敗れた。この苦境で躍動したのが、途中出場の若手組だ。
大東大から2021年度入部でSHの南昂伸は、鋭いランを繰り出し2トライをマーク。朝日大から入ってアーリーエントリー(大学4年生が卒業直前からプレーできる仕組み)で登録されたばかりのNO8兼PR、サミュエラ ・ワカヴァカは、好突進を披露した。
目下2勝10敗で12チーム中10位。下部との入替戦回避や来季以降を踏まえてか、指揮官は先を見据えた。
これから先発とベンチを入れ替える可能性はあるかと聞かれ、「そういう可能性はある」とうなずいた。
「しっかりパフォーマンスできれば年は関係ない。チームにとって、いまはトランジションフェーズにあるのかなと。(ワカヴァカら)アーリーエントリー組は、すごくいい。彼らはチームの未来だ。(キャリアの浅いプレーヤーには)もちろんミスもあると思います。それでも何かを変えたい、会社、ファン、チームメイトのために何でもやるという気持ちを見せる選手が、欲しいです」
この隊列にあって、とりわけ渋く光ったのは山本嶺二郎だ。前・明大副将で身長191センチ、体重111キロのLO。こちらもアーリーエントリーである。
2試合連続でのハーフタイム明けからの登場となったイーグルス戦では、ゲインライン上で好タックルを重ね、突進をスコアにつなげた。
手応えを口にしながら、ただただ謙遜する。
「やれているかな、とは思っているんですけど、細かいところでミスがあるので修正したいです。ハンドリング、ランコース…。タックルでも、最後の(相手をつかむ際の)バインド、レッグドライブをやり切れていない」
指揮官の予言通り、12日の第13節では初めてスターターに名を連ねることとなった。4番をつける。かねてこう話していた。
「ハードワークし続け、チャンスがあればいいキャリー、タックルをして、自分の持ち味を出したいです」
出身の京都成章高、明大では全国クラスの舞台を経験。これからリーグワンでシビアな状況下のゲームに出ることになるとしても、「そこは慣れているほう」と笑う。
「あまり緊張しすぎるといいプレーができないと思うので、自分にフォーカスして、戦っていければ」
今度の場所は東京・秩父宮ラグビー場。一昨季まで国内2連覇の埼玉パナソニックワイルドナイツが相手だ。先輩やファンの温かさに惹かれてブラックラムズを選んだという京都生まれの青年が、早速、そのクラブの期待を背負う。