三重ホンダヒートがD1昇格後初勝利 数的不利も耐え花園近鉄ライナーズを下す
2023-24シーズンのリーグワン(ディビジョン1)で未勝利同士だった花園近鉄ライナーズと三重ホンダヒートが3月17日、東大阪市花園ラグビー場で激突し、ヒートが20-19で接戦を制して昇格後初めての勝利をつかんだ。これで順位は入れ替わり、ヒートは11位に上昇、ライナーズは最下位(12位)に落ちた。
ヒートは前半9分、相手キックのバウンドボールをFBトム・バンクスが確保しカウンターでゴールへ走りきり、先制。22分にも敵陣深くに入ると、ラインアウトからモールで前進し、HO李承爀がインゴール左隅に突っ込み連続トライとなった。SO呉洸太のコンバージョン連続成功も貴重な追加点となった。
対するライナーズは26分、FL菅原貴人の好タックルでボールを奪い返すと、CTBトム・ヘンドリクソンのゲインもあってゴールに迫り、テンポよくアタックを継続してワイドにボールを動かし、WTB木村朋也が右外にトライを決めた。
ライナーズの反撃ムードが高まるなか、ヒートにとっては嫌な流れが続いた。30分、2023年度天理大学主将でアーリーエントリーの先発SH北條拓郎が相手SOクウェイド・クーパーに対するヘッドコンタクトでカードを提示され、オフフィールドレビュー(ビデオ検証)の結果、危険度が高いと判断されレッドカードにアップグレード、北條は退場となった。
しかし、ヒートはSHのスペシャリストを一時的に欠いて1人少ない状態での戦いを余儀なくされたが、苦しい時間帯を耐え、「20分レッドカード」ルールにより、14-5とリードしたまま、51分(後半11分)には15人に戻った。
そして、59分にはショットチャンスをつかみ、SO呉が貴重な3点を追加。
一方、12点差をつけられたライナーズは61分、CTBヘンドリクソンがブレイクしてゴールに迫り、クイックリサイクルでSHウィル・ゲニアからパスをもらったWTB木村がタックルをかわしてインゴール右隅に飛び込んで押さえ、SOクーパーのコンバージョンも成功で5点差とした。
そして65分、ハーフウェイでのパス回しから木村が抜けてゲインし、パスをもらったNO8セル ホゼが右外を駆け上がり、サポートについていたゲニアがインゴールに持ち込み、同点、かと思われた。しかし、セルの足がタッチラインを踏んでいたことがTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で確認され、ノートライ。
その後もライナーズはチャンスを作ったが、ヒートが踏ん張り、68分にはLOフランコ・モスタートのラインアウトスチールでピンチを脱出した。
粘り強いディフェンスでリードを保ったヒートは、74分に攻め込んでペナルティゴールで貴重な3点を追加。
ライナーズは79分にドライビングモールで押しきり、コンバージョンも成功で1点差に詰めたが、ヒートはリスタート後にディフェンスでボールを奪い返して残り時間を使いきり、初勝利となった。