国内 2024.03.08

「優勝するチームだと思っていた」(廣瀬)。スピアーズ新人入団会見、各選手の声。

[ 編集部 ]
「優勝するチームだと思っていた」(廣瀬)。スピアーズ新人入団会見、各選手の声。
記者会見後にグラウンドで撮影に応じる(撮影:菅原淳)

 報道陣とともに会見に参加していたフラン・ルディケHCは、ルーキーたちの声に耳を傾け、時折メモを取りながら何度もうなずいていた。

 3月1日、クボタスピアーズ船場・東京ベイがアーリーエントリー選手の入団会見をおこなった。

 新たにオレンジ軍団に加わるルーキーたちは、そうそうたる顔ぶれだ。

 先の大学選手権決勝でぶつかった帝京大と明大の両主将、HO江良颯、CTB廣瀬雄也をはじめ、その決勝で紫紺の3番をつけた為房慶次朗も加わる。

 この世代のエースランナーで、慶大では副将を務めたユーティリティBKの山田響、筑波大で副将のFL梁川賢吉と、関東対抗戦の実力者たちも入団。オーストラリア出身で190㌢、120㌔とポテンシャルの高い拓大のPRイジー・ソード、関西大で1年目からプレータイムを得ていたSH溝渕元気もスピアーズ入りした。

 石川充GMは「本当に良い採用ができたと思っています。(昨季の)優勝前に返事をもらっていたメンバーたちです。前川(泰慶/チームディレクター)をはじめ、リクルーターのみんながうちのチームの良さや方向性を説明してくれた結果、来てくれた。楽しみで仕方ないし、うちの時代が来るのではないか」と笑みをこぼした。

 会見ではそれぞれの選手が加入の理由や意気込みを語った。

「日本一に貢献できるように、少しでも早く試合に出られるように頑張りたい」と意気込んだ江良は、クロスボーダーラグビーのチーフス戦に出場し、9日のトヨタヴェルブリッツ戦でもリザーブ入りを果たした。

 加入の理由には、今季はケガで離脱している南アフリカ代表HOの名を挙げた。
「マルコム・マークスという世界的なフッカーがいる。幼い頃からの夢で目標の日本代表になりたいので、そこでいろんなことを勉強し、吸収して世界で活躍したい。デイン・コールズにもいろいろ教えてもらってます」

 一方の廣瀬は、入団の決め手はチームの雰囲気だったと明かした。
「たくさんのチームを見てきましたが、ここが一番雰囲気が良くて、ウェルカムな温かい空気感がありました。(チームに合流後は)日本人選手だけでなく、外国人選手も1対1でアドバイスをくれる。誰も自分のことを見捨てない、新人を置いてけぼりにしない。決めたのは大学3年生の時だったのでまだ優勝する前でしたが、いつか優勝するチームと感じていました」

「フランさんをはじめ熱いオファーをもらい、自分が必要とされてるところでやりたかった」とも話し、「ルーキーというのは関係なく、いちはやくファーストキャップを得て、将来的に50キャップ、100キャップを狙えるようになりたい」と力強く語った。

 狙うポジションは学生時代と変わらずインサイドセンター。キャプテンの立川理道や、東福岡の先輩でもある永富晨太郎らと争う。
「12番は誰にも譲りたくないと思っています。いろいろなスキルを聞いて、プレーを見て、自分のものにしたい。近いうちに(先輩たちを)追い越し、自分が12番を着たい」と話した。

 山田響は、加入の理由に意外な理由を明かした。「スピアーズのラグビーはFWがどんどん前に出てBKが縦横無尽に走り回る。自分もそういうラグビーをしたいと思った」とも語ったが、「慶應の先輩があまりいないのがすごく魅力的だった」と報道陣の笑いを誘った。
「先が見えないところに飛び込むのは好奇心といいますか、面白そうと感じます。新しいところで自分の力を試す良い機会になる」

 慶大出身者では2005年入団の清野輝俊以来の加入となる。仲の良い選手はいるか、との質問には「(二村)莞司さんはユース五輪(セブンズ)に一緒に参加しているので、一番親しいのかなと勝手に思っています」と笑顔で答えた。

 山田は、慶大ではCTB以外のBKのポジションをすべて経験。「そこはアドバンテージだと思っています。常にどこのポジションでもできるように準備する」と話し、「(中でも)バックスリーで勝負したい。とても素晴らしい選手が多いですが、キックでは優位に立てると思っている」と熾烈なポジション争いへ名乗りを上げた。

拓大の右PRイジー・ソードは「チーム内の競争も激しく、自分が成長できそうな場所と感じた。自分をプッシュしてくれるだろうと。スピアーズのFWはパワフルで、その一員になりたい」と話した(撮影:菅原淳)
筑波大の梁川賢吉は「いろんなところに顔を出す運動量で勝負したい。その上で高い強度に適応して、インパクトを残せるようにチャレンジしたい。加入させてもらったからにはグラウンド内外で必要とされる人間にならないといけない」とチームへのコミットを語った(撮影:菅原淳)
関西大のSH溝渕元気はアーリーエントリー一番乗り。「新人らしくアグレッシブにプレーしたい。てはやく出られるように頑張りたい。まだまだスキルは未熟です。パススピードでは負けたくないですが、もっと磨いて先輩方を追い越したい」と意気込んだ(撮影:菅原淳)
明大で右PRの為房慶次朗は、「持ち味はスクラムとキャリー。ルーキーですが関係なく、先輩たちに食らいついて早く試合に出たい」と話した(撮影:菅原淳)

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