国内
2014.12.07
早明戦は早大が走り勝ち! 今季初戦のFB藤田が機能
伝統の一戦に間に合い、元気な走りでファンを興奮させた早大の藤田(撮影:矢野寿明)
<関東大学対抗戦A>
早稲田大 37−24 明治大
(2014年12月7日/東京・秩父宮ラグビー場)
早大は、諸刃の剣を振りかざした。
18歳の頃から日本代表入りした3年のFB藤田慶和が、明大とのクラシコで今季初先発を果たす。こちらも初陣の新人SO横山陽介とともに、チームの救世主役を託された。
代表遠征からクラブへ合流したのは11月下旬で、主力格同士の試合は6月の肩の故障後ではこの日が初。試運転ままならぬなか大一番に出た闊達(かったつ)な貴公子は、序盤、ミスを重ねた。密集で相手に絡まれ、意に沿わぬ場所へ球を蹴る。前半27分まで、3−10とリードされた。
「当たり前のことが当たり前にできなかった。それがショックでした」
得意の型なら披露した。後半12分、自陣22メートルエリア左で球を得ると、目の前の防御の立ち位置を確認。「僕の真正面に立ってない。タックルする気、ないな」。キックの素振りを見せるや、一転、加速。敵陣の中盤まで進み、FL加藤広人のトライを促した。23−10。
エラーで味方をやや傷つけつつ、雄大な走りで11月未勝利の早大に光を灯した諸刃の剣。明大の丹羽政彦監督が「マークするよう言ったけど…」と嘆くかたわら、こう声を弾ませる。
「新しい風が吹いてて、いい感じ」
(文:向 風見也)