神奈川ダービーは横浜イーグルスが5点差で制す 相模原ダイナボアーズ奮闘するも惜敗
1月7日に秩父宮ラグビー場でおこなわれたリーグワンの“神奈川ダービー”は、接戦となり、横浜キヤノンイーグルスが40-35で制した。昨季10位の三菱重工相模原ダイナボアーズは同3位の格上に対して果敢にチャレンジし、前半一時19点リードしたが、イーグルスが徐々に盛り返し、今季3勝目(1敗)をつかんだ。ダイナボアーズは2勝2敗となった。
最初のキックオフから積極的だったダイナボアーズは、前半3分、フリーキックを得ると速攻を仕掛け、強いランナーのCTBカーティス・ロナがディフェンダーを2人ひきつけたあとオフロードでFB石田一貴につなぎ、さらにクイックでボールをもらったWTBベン・ポルトリッジがインゴールに持ち込み先制した。
ダイナボアーズには勢いがあり、11分には今季初出場となったSOマット・トゥームアのキックパスを、右外のFL吉田杏が足でコントロールし、チェイスに競り勝ってゴールラインにボールを押さえた、かに思われたが、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)はノックオンの判定、トライは認められなかった。
それでも、ダイナボアーズは17分、テンポのいいパス回しからWTBポルトリッジのゲインもあって敵陣深くに入ると、相手の堅守に対して、オーストラリア代表59キャップで経験豊富なSOトゥームアがクロスキックを使い、ボールをキャッチしたWTBタウモハパイ ホネティがインゴールに持ち込んだ。
さらに、リスタート後には、キックオフボールをレシーブしたFB石田がプレッシャーをかけに来た相手を俊敏な動きでかわし、突破して大きくゲイン、サポートしたタウモハパイがゴールへ走りきり、連続トライとなった。
その後、ゲームキャプテンを務めた元ニュージーランド代表のNO8ジャクソン・ヘモポがラインアウトスチールやジャッカルでチームを鼓舞するなど、26分頃まではダイナボアーズのペースだった。
しかし、3-22とされたイーグルスは27分、敵陣深くで攻撃を続けると、ラインアウト・モールから展開し、相手が前へ詰めてきたところをしっかり見ていた南アフリカ代表SHファフ・デクラークが落ち着いてWTBイノケ・ブルアにパスを通し、背番号14が抜けてトライを決めた。
流れを変えたイーグルスはさらに30分、自陣から攻めて相手のプレッシャーをかわし、ブルアが右外を大きく駆け上がり、サポートしたFB小倉順平がゴールに持ち込み5点を追加した。
そして、36分にもフェイズを重ねて敵陣深くに入り、アドバンテージを得ると、すばやくボールを動かし、ブルアが右隅にフィニッシュ。20-22と、2点差に詰めて折り返した。
イーグルスは後半の入りがよく、FB小倉のペナルティゴール(PG)で逆転。
対するダイナボアーズは47分(後半7分)、相手のゴールラインドロップアウトでボールを手にしたSOトゥームアが、約45メートルの距離からドロップゴールを決め、再び2点リードを奪った。
しかし、55分、危険なプレーをしたダイナボアーズの選手にカードが出て、数的有利となったイーグルスは直後、ラインアウトから展開してFB小倉がゲインし、パスをもらったWTBヴィリアメ・タカヤワが左外を駆け上がり、タックルされながらもコーナーにトライを決め、再逆転となった。
58分にはキャプテンのCTB梶村祐介が突破してタカヤワにパスを放り、連続トライ。小倉のコンバージョン連続成功も貴重な追加点となった。
粘るダイナボアーズは63分、トゥームアの「50:22キック」で敵陣深くに入り、ラインアウトからモールで前進し、バックスも加わって押し込みトライを奪い返した。コンバージョンも決まって5点差に詰めた。
その後、両チームともPGでスコアを動かし、終盤、ダイナボアーズはこの日光ったモールディフェンスで最後の踏ん張りを見せたが、逆転劇は生まれず、イーグルスが5点差で逃げきった。