世界と成長への扉を開くクラブを。履正社高校がラグビー部新設。ヘッドコーチを公募中

　公募の記者会見前に、何人もの人から問い合わせがあった。
　その数は12月1日の記者会見後、さらに増えているだろう。

　大阪の履正社高校がラグビー部の新設、ヘッドコーチの公募についての記者会見を開いた。
　創部予定は2025年4月。ヘッドコーチとしての職責スタートは2024年4月で、1年をかけて、新しいクラブが動き出す準備をすることになる。

　公募期間は2023年12月1日から2024年3月31日。選考は学校法人履正社の選考委員会がおこない、2024年3月中の契約を目指す（選考の状況により、期間内に終了する場合あり）。

『甲子園』での優勝経験もある野球部を持つ同校がラグビー部を創部するのは、昨年迎えた学校創立百周年もきっかけのひとつ。
　節目の年を機会に、学内でおこなわれた様々な教育改革の中の一環だ。

　プランは前々から進められていた。人工芝グラウンドの完成（箕面市／2023年4月）などもあり、一歩目を踏み出す環境が整った。

　同校には以前、ラグビー部があった。2013年度まで活動していたが、部員不足などもあり廃部となった。正確に言うと、今回は再スタート。
　新設としたのは、当時にはなかった思いを活動に込め、他にない価値を持ったクラブとする意志からだ。

　今回、ラグビー部設立ビジョンとして、次の3つを掲げた。
①真のリーダーシップとフォロワーシップをグラウンドで学ぶ（教育的価値）
②競技力と言語技術を磨き、世界中に友だちをつくる（国際的価値）
③人と世代をつなぐ普遍的なクラブ文化を醸成する（社会的価値）

　その中でも他にない特色となるのは、言語技術を磨くことへの注力だ。スポーツとの親和性が高いと考え、ビジョンのひとつに加えている。

　履正社中では今年度から、言語技術教育を授業に採り入れている（中高一貫）。思考を論理的な組み立て、自分の考えを、自分の言葉で、自分らしく表現できる人間を育てるためだ。
　目の前で起こっていることを論理的に分析して判断、プレーするスポーツとの親和性は高い。

　ヘッドコーチの応募資格には、性別、年齢、国籍、自薦他薦は不問とある。
『ラグビー指導歴3年以上、もしくは競技者としてトップレベルの経験を有する方』、『教育に深い関心をお持ちの方』に加え、推奨項目に『英語でのコミュニケーションを厭わない方』とあるのは、クラブの未来像が理由だ。様々な形での海外交流をおこなっていきたい。

　今回のラグビープロジェクトのリーダーを務める釜谷一平広報企画局局長はラグビーマンだ。
　2000年度シーズンの関東大学対抗戦、東大が日体大に13-8と勝った試合の記事を読んで感動。慶大入学後はバンド活動に取り組んでいたがあらためて東大へ進学した。ラグビー部に入部し、FLとしてプレーした。

　同局長はラグビーの教育的価値について、「社会に出て『正解のない問い』に直面した際、それを乗り越える力や資質はなかなか教室やオンラインでは育めないものです。非認知能力とも呼ばれるそれらを学ぶ機会が、ラグビーのグラウンドにはたくさん落ちています」と話す。

　公募のスタイルをとったヘッドコーチの人選については、「純粋に良いクラブにしたい。素晴らしい方と出会うためには、こちらが胸襟を開くことが大事と考えました」とした。

　ヘッドコーチは監督業（マネージメント職）も兼ねる。そのため、コーチなどスタッフについては、今回の人選後に決まる。
　良きクラブとなることが大前提。その先に、世界へつながる道や、花園という舞台があれば、多くの人たちが幸せになる。

【履正社高校ラグビー部ヘッドコーチ 募集要項】
◆募集期間　2023年12月1日〜2024年3月31日
※選考の状況により、期間内に終了する場合があります。
◆募集人員　1名
◆クラブ発足時期　2025年4月
◆希望勤務開始時期　2024年4月
◆練習グラウンド　大阪府箕面市森町西 1-1-65
◆学校所在地　大阪府豊中市長興寺南4-3-19
◆生徒募集人員（予定）　20〜25名／学年
◆勤務形態　 フルタイム（週40時間）の教員または職員として勤務
※1カ月単位の変形労働時間制
◆待遇　応募者のみに開示
◆応募方法　履歴書（顔写真付）ならびに職務経歴書をメールまたは郵送
◆選考プロセス（予定）　書類選考→1次面接→最終面接
◆応募資格
・ラグビー指導歴3年以上、もしくは競技者としてトップレベルの経験を有する方
・教育に深い関心をお持ちの方
◆その他推奨項目
英語でのコミュニケーションを厭わない方
＜補足事項＞
性別、年齢、国籍、自薦他薦は不問

■履正社高校ラグビー部設立ビジョン
真のリーダーシップとフォロワーシップをグラウンドで学ぶこと（教育的価値）
競技力と言語技術を磨き、世界中に友だちをつくること（国際的価値）
人と世代をつなぐ普遍的なクラブ文化を醸成すること（社会的価値）

【問い合わせ先】
学校法人履正社 中高人事部
大阪府豊中市長興寺南4-3-19
jinji@riseisha.ac.jp
06-6195-3336