日本代表 2023.10.23

【国際車いすラグビーカップ①】フランスで熱戦! 日本は初戦でNZに圧勝

[ 張 理恵 ]
【国際車いすラグビーカップ①】フランスで熱戦! 日本は初戦でNZに圧勝
今大会でバイススキャプテンを務める橋本勝也のプレーが日本に流れを引き寄せた。(撮影/張 理恵)
ニュージーランドとの初戦に臨んだ車いすラグビー日本代表。(撮影/張 理恵)
岸光太郎HC(中央)就任後初の国際試合を白星で飾った。(撮影/張 理恵)



 ラグビーワールドカップが大詰めに近づく中、「国際車いすラグビーカップ」(International Wheelchair Rugby Cup Paris 2023)も開催中だ。10月18日、フランス・パリで開幕した大会は10月22日が最終日。
 日本代表の戦いの足跡を、順に紹介していこう。

 世界ランキング上位8か国が集結する今大会は、来年のパリ・パラリンピック前哨戦としても注目され、会場となったハル・ジョルジュ・ カルパンティエには多くの車いすラグビーファンが訪れた。

 10月18日の開会式で日本は、ラグビーワールドカップ・フランス大会の日本戦で会場に流れた、長渕剛「とんぼ」のメロディーに合わせて入場し、選手たちは大きな拍手に笑顔で応えた。

 また試合中には、ワールドカップのアルゼンチン戦でよく聞かれた西部劇風のフレーズに観客が沸く場面も見られ、「15人制」と「車いす」、ふたつのラグビー世界大会のコラボレーションがファンを楽しませた。

 大会1日目の10月18日には各プールの予選ラウンド第1戦がおこなわれ、プールBの日本(世界ランキング3位 ※10月2日現在)はニュージーランド(同8位)との初戦に臨んだ。

 立ち上がりこそ硬さの見られた日本だったが、ラインアップを次々とコートに送り込むローテーションで流れをつかむと、波状ディフェンスに、相手のパスコースをふさぐマンツーマン・ディフェンス…と、ディフェンスを変化させながらターンオーバーを奪いリードを広げた。

 前半を終え23-21とした日本は、疲労により勢いを失ったニュージーランドにリズムを合わせることなく、自分たちが目指すラグビーに集中した。スペースを広く使うダイナミックなプレーの一方で、ミリ単位で車いすのポジションにこだわる緻密さ、それでいてハードワークするアグレッシブなラグビーを追い求めた。

 若手とベテランの融合、同じクラブチームに所属するからこその息の合った連係プレーで相手を引き離した。後半はダブルスコアに迫る戦いぶりで52-36とし、初戦を白星で飾った。

乗松聖矢(左)のハードワークとリーダーシップが光った(右はフル代表デビューを果たした草場龍治)。(撮影/張 理恵)
先を読むディフェンスでチームを支えた仕事人の倉橋香衣。(撮影/張 理恵)

 日本が目指す自分たちのラグビーを「正しいプレー」と表現するキャプテンの池透暢は、「正しいプレーをやり続けようと話して試合に臨んだ。
 メンバーやコートの床のコンディションなど、イレギュラーな状況があったが、その中でベストを尽くそうとチームとして戦えたことが終盤のいいプレーにつながった」と試合を振り返った。

 日本と同じプールBの、アメリカ(同1位)とフランス(同6位)の対戦は、完全アウェーの状況で戦ったアメリカが、ヨーロッパ・チャンピオンのフランスを退け、53-51で勝利した。

 プールAでは、カナダ(同5位)が一進一退の攻防の末、オーストラリア(同2位)を49-48で下す金星をあげ、歓喜に沸いた。
 また、東京パラリンピックで金メダルを獲得したイギリス(同4位)がデンマーク(同7位)を封じ込め、55-49で勝利を収めた。

 接戦に次ぐ接戦、熱戦に次ぐ熱戦が観客を魅了した大会初日だった。

【10月18日(大会1日目) 試合結果】
◎プールA>
オーストラリア ● 48-49 〇 カナダ
イギリス 〇 55-49 ● デンマーク

◎プールB>
日本 〇 52-36 ● ニュージーランド
アメリカ 〇 53-51 ● フランス

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