元日本代表・流大、サンゴリアスでコーチ人生スタート。取りたい「バランス」とは。
スタートラインを切ったばかりだ。
ラグビー日本代表36キャップの流大は昨季限りで現役を退き、2015年より所属していた東京サントリーサンゴリアスのアシスタントコーチとなった。
指導陣に加わったことで初めてスタッフミーティングに常時参加し、パソコンの専用ソフトの使い方に四苦八苦する日々だ。
本格始動後の9月29日、都内のグラウンドで語った。
「本当に、新しい発見が毎日、続いている感じです」
現役時代から世界各国のゲームをチェックして戦術眼を養ってきた流。新たな道を歩み始めてからは、さらに深くラグビーを捉えようとしている。
「自分のチームの練習のレビューとプレビューに1番、時間を割きます。これまでは(外部の試合は)スポーツ局の(主要の)アングルがひとつのものを見ていましたが、いまはアナリストの方からいくつものアングルがある映像をもらって、色んな見方で」
変えているのは人との関係性も然り。フィールドを走っていた頃は若手の兄貴分だったが、スパイクを脱いでもそのままとはいかないようだ。「バランス」を肝とする。
「いい意味では対等に話せる感覚がありますけど、バランスを取りながらやっていきます。仲のよかった選手——皆、仲はよかったですけど——仲のよかった選手に指摘しなければならないこともあります。グラウンド外で言った(指摘した)ほうが緊張感が生まれる場合はそうします。プライベートで付き合うことはなるべく減らす…というか。セレクションに関わるようなことがあれば、それ(自身との親交)で差がつくことは僕自身も嫌。フラットにするようにしています」
将来はナショナルチームで教えたい。その第一歩を踏みしめる現在の環境に「恵まれています」と感謝する。沢木敬介が監督に復帰したからだ。
‘16年度の就任から3季で2度の優勝をもたらした沢木は、初年度に2年目だった流を主将に抜擢したことでも知られる。一昨季まで横浜キヤノンイーグルスを率いた名物指揮官のもと、流は多くを任される。
「『こうしろ』とは言われず、考えさせてくれている。試行錯誤しながら、自分自身もよくなっていると思います。ミーティングの準備、進め方…。チーム練習で笛を吹くことも、何回かあります。そこまでやらせてもらえるとは思っていなかったのですが、それをさせてもらえることはすごく価値のあること。『ここは長くプレーさせよう』といった『(動きを笛で中断させる)切り方』には、結構、センスがいる。学ばせてもらっています」
流がサンゴリアスとジャパンでSHの定位置を争ってきた齋藤直人も、昨年までのフランス挑戦を経て今季より府中へ戻った。かつ、沢木に新シーズンの主将を託された。
現代表の主軸でもある29歳は、仲間と信頼関係を築いて好判断を重ねる流と切磋琢磨した日々をこう振り返る。
「最初のほうはどうやって大さんからポジション獲るかを考えていましたが、途中からいかに自分の強みを出すかにフォーカスを。そういうマインドになってから、より成長できました」
齋藤は約2週間前までの代表活動を経て、28日に本格的にチームに合流した。直近の流との対話について聞かれ、「普通に、たくさん話していて、何を話したかも思い当たらないくらいです」と補足した。




