日本代表 2026.09.24

タフさ際立つ。日本代表マキシ ファウルアのパシフィック・ネーションズカップ決勝。

[ 向 風見也 ]
タフさ際立つ。日本代表マキシ ファウルアのパシフィック・ネーションズカップ決勝。
NO8マキシ ファウルア(撮影:福島宏治)

 チャンスを逃した直後のことだ。

 2点差を追う後半15分頃。日本代表が東京・秩父宮ラグビー場の芝を踏み、足をかく。敵陣ゴール前右で、対するフィジー代表ボールのスクラムに圧をかける。後退しながら何とか球を出した相手にも、ジャパンの青いセカンドジャージーが襲う。

 攻守逆転。地上にプレッシャーをかけ、向こうの反則を誘った。

 最後に球に絡んだのはマキシ ファウルアだ。身長187センチ、体重112キロの身体を沈めてレフリーの笛を誘った。

 トンガから2012年に来日の先発NO8は、25年に日本国籍を取るよりも前から日本語が流暢だ。

 チャンスを逃した後にまたチャンスを手繰り寄せたこのシーンを、淡々と振り返る。

「本当に、目の前にプレーに集中して、そこでターンオーバーして…。チームがもう1回、トライを獲りに行くチャンスを…」

 戦ったのは9月19日。パシフィック・ネーションズカップの決勝である。

 マキシが一手を繰り出してまもなく一時勝ち越しのジャパンは、25分に同点に追いつかれながらも32分には再びリードを奪う。20-15。

 続く33分頃、ハーフ戦付近左中間の防御ライン上から飛び出し、タックルを放つ。ミスキックを誘う代わりにその場でうずくまったが、スタッフの治療を受けて戦列に戻る。

 苦悶の表情を浮かべたシーンについて問われても、「…大丈夫です」と微笑むのみだ。とにかく、7年ぶりの大会制覇を果たすまでフィールドに立った。

「本当に勝ちたい気持ちだったので、勇気を持って、何度も、痛んでも、立ち上がってプレーしていた。それが、好きですね」

 白星を目指して力を振り絞るあり方が「好き」。その言葉通り、ボールキャリーの回数は両軍最多の15を記録した。攻撃時間を長くした勝利チームにあって、愚直に身体をぶつけ続けた証だ。

 主将を務めるクボタスピアーズ船橋・東京ベイでも身を粉にする29歳は、「最高です。勝てて。全員が優勝を目指してやってきた準備が、結果に(つながった)。きょうはしっかり楽しみたいです」と表情を崩した。

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