
スプリングボクスとオールブラックスによるラグビー界最大のライバル対決「Rugby’s Greatest Rivalry」。運営の舞台裏
舞台裏では、両協会による綿密な調整が続いている。
「両チームのマネジメントが理事会室に集まり、一項目ずつすべてを確認しました。宿泊先、練習場、到着時刻、各試合で着用するジャージー、キャプテンズラン…すべて確定しています」
このシリーズは、まさに共同事業(JV)として運営されている。
「意思決定には両協会が完全に平等に関わっています。運営、商業、ツアー関連の各分野で毎週ミーティングをおこない、すべてを詳細に計画しています」
宿泊施設もツアー期間全体を通して確保済み。NZは都市ごとにホテルを変更する一方、スプリングボクスは主にヨハネスブルグを拠点とし、ケープタウンにサブ拠点を置く。
「ワールドカップは7週間ですが、このようなツアーは本質的に別物で、考え方自体を変える必要があります。NZは8月12日から23日までヨハネスブルグ滞在ですが、”景色を変えたい”という理由で4日間だけ別のホテルを希望してきました」
各段階でバックアップ計画も組み込まれており、回復プロトコルにも細心の注意が払われている。
「各都市に第1・第2練習場を準備しています。天候の影響があっても代替施設があります。特にユニークなのは移動式サウナです。ホテルの共用設備を使いたくないとのことで、専用サウナをチームホテルに設置します」
南ア協会はこのツアーに対応するため運営チームも拡充した。
「イベント運営能力を強化しました。開催都市、スタジアム、地方協会とも密接に連携しています。照明からインフラまですべて準備万端です」
南ア協会にとって、このツアーは1995年ワールドカップ以来最大級の事業となる。
「チーム、ファン、パートナーすべてにとって完璧なものにしたい。この経験は2030年に開催するスプリングボクスのNZ遠征の青写真になります」
そして彼は、このシリーズの意義をこう語る。
「これは他に類を見ないツアーです。単なるラグビー最大のライバル対決ではありません。世界スポーツ全体でも屈指のライバル関係です」
今回選ばれた会場は、ツアー全体の物語性を構成する重要な要素となっている。
南アフリカ国内の3テストは、エリス・パーク(収容6万2000人)、ケープタウン・スタジアム(5万8000人)、FNBスタジアム(9万2000人)で開催され、第4テストはボルティモアのM&Tバンク・スタジアム(7万1000人)でおこなわれる。
「最終的には座席数が重要です。収益最大化につながりますから」
エリス・パークは歴史的重要性から開幕戦会場に選ばれた。
「このライバル関係が本格的に始まった場所です。1995年ワールドカップ決勝も、1992年の復帰後初戦もここでした」
ケープタウン・スタジアムは現代的で世界水準の体験を提供し、FNBスタジアムは圧倒的なスケールを誇る。
「世界最大級のスタジアムの一つです。満員になれば最高ですね」
ジャクソンは南アフリカの会場を海外の有名スタジアムとも比較した。
「エバートンの新スタジアムはまだ塗装の匂いが残るほど新しく巨大スクリーンがあります。一方オールド・トラフォードは本当に昔ながらで、大型スクリーンもリプレイもない。でも”体験”があるんです」
その哲学はエリス・パークにも通じる。
「世界でもあの熱気を再現できるスタジアムはほとんどありません」



