大井町から我孫子へ、奮闘するJR東日本レールウェイズ。13人の新人を迎え、「NEC」と共存へ。
「我孫子のリーグワンの設備はやはり、素晴らしいです。素晴らしくて、選手もわれわれスタッフも、慣れるまで少し時間がかかりそうです」
JR東日本レールウェイズ・中里一大GMは177cmの元SH。実直で淡々とした話しぶりがチーム環境の激変と、ユーモアを感じさせる。
昨年度はトップイーストCで全勝優勝を果たした社会人チーム、JR東日本レールウェイズ(以下レールウェイズ)が大きな変化に直面している。


来年創部60周年を迎える同部は、JRマンとして各部署で働く部員たちが競技に打ち込む。社会人ラグビーで近年、より力をつけてきた上昇チームだ。前季は昇格わずか2年目のトップイーストCで優勝。昨年末、B昇格をめざして2年連続で臨む入替戦を10日後に控えた平日昼に、衝撃の発表があった。
JR東日本が企業として、外部から新たにトップチームを引き継ぐことが発表された。
2025年12月11日、引き継ぐチームとして発表されたのが、NECグリーンロケッツ東葛。リーグワンD2所属で、かつて日本ラグビーのトップに4度輝いた名門だ。引き継ぎにあたっては、選手、スタッフ、練習施設はグリーンロケッツのものがそのままJR東日本に継承していく流れ。会見でJR東日本は、同社で活動してきたレールウェイズの存在に触れた。これまでも社名を背負ってきた社会人チームは今後も存続すると話した。新たなプロチーム(現グリーンロケッツ)とともに、別個のチームとして我孫子で共存していく方針だ。
その後のレールウェイズはどのように過ごしてきたか、これからどんな道を歩んでいくのか。
京浜東北線の車掌として働く荒川海斗選手ら、チームのリーダーたちとスタッフ陣は互いによく話し、冷静に次を見据えて動いている。チームの拠点となってきたグラウンドは品川区、商業施設オープンで話題の大井町駅の隣、広大な車両整備場内にある(東京総合車両センター)。首都圏近郊の通勤電車が集まる敷地に、草地のグラウンドを構える。広さはフルグラウンドの半分ほど。チームは地域の子どもたちの育成スポーツ支援もおこなってきた。
今後は、シーズン開幕に向けて活動環境を段階的に調整していくことになる。今は、週2回の練習をこれまでと変わらず大井町で続けており、我孫子での練習は月に1度ほどだ。
「社員の勤務地が首都圏に加え、秋田や盛岡などにも分散しています。通いの状況は当然、これまでとは変わります」(中里GM)
大井町から天王台駅は乗り換え1回、電車で1時間弱。駅からグラウンドへはバス10分といった距離にある。
環境の変化に立ち向かうレールウェイズ。芯の強さを感じたのは、チーム受け入れ発表の10日後の入替戦だ。
12月22日、ライオンファングスとの試合には1点差で敗れた(●26-27ライオン)。トップイーストB昇格を2年連続で逃した。地力の差はまだあったかもしれない。挑戦者。それだけに健闘が際立った。フィールドとベンチには落ち着きがあり、準備を尽くしてきたチームのたたずまい。メンバーに新人が4人いる若さを脆さにはせず、一つの塊となって戦った。
対戦相手の本拠地で行なわれた試合に、JRは社員約400人が駆けつけ雨の中、声援を送った。「吉田周平」と大書された緑の横断幕。選手個々を見つめ場面ごと上がる声援には、部員が愛されるそれぞれの職場の空気が感じられた。リーグ最終戦の応援は440人に上った。これぞ社会人ラグビー、の光景だった。
仲間どうしにも、社内にも支えを持つレールウェイズはたくましく戦い、惜しくも敗れた。
「シーズン後どうなるとか、先々のことは考えても仕方がない。いったん忘れて、入替戦に集中しよう、と。準備は尽くせたかなと思います」。試合直後の中里GMが振り返ったその心境に収まるまで、チーム内の葛藤はどれほどだったろう。
いま目の前の勝負に没頭できたこと。周囲のサポートを感じてその日を迎え戦い切れたこと。この結束と連携は今後のチームにも大きな糧となる。
次シーズンも「いま目の前」を見つめるスタンスは変わらない。編成数の調整から来季はトップイーストDiv2で戦うレールウェイズ(結果的な昇格!)は、またリーグ戦表の底から星を重ねる秋を見据える。
「来季の目標はトップイーストDiv2優勝と入替戦に勝ってのDiv1昇格です。その先は中長期ですが、Div1で上位に入って、全国社会人大会で優勝したい(関東、関西、九州の社会人トップ9チームが集う大会)」(中里GM)
そこまでいったら、上はもうリーグワンしかない。
どうする? どうなる?
それは今は考えない。
チームには昨年の7人に続いて、この春13人もの新人が加わった。先立ってチームのSNSに笑顔で掲載された引退、勇退の選手とスタッフは14人。スタッフ、部員、OBが手弁当の総力戦で活動を支えてきた。選手とリハビリとスタッフ業を行き来した部員も少なくない。積み重ねたリクルーティングと戦績面の努力が、多くの新人を引き寄せた。
「おそらく」と中里GM。
「今年の新人も、メンバーに複数絡んでくると思いますね。ベテランも中堅も、うかうかしていられない状況ですね」
みんなで、必死に駆け抜けていく。淡々としたGMの言葉に、今度は決意が感じられた。
レールウェイズは、今を生きる。
●JR東日本レールウェイズ 2026年度 新入部員(13名)
※ポジション、氏名、出身校
PR 雨宮 慶和(日川→帝京大)
PR/HO 加藤 将圭(秋田工→國學院大)
PR 友添 太陽(大東大一→大東大)
LO/FL/NO8 荒川 真斗(國學院久我山→青学大)
LO/FL 上田 倫太郎 (札幌山の手→関東学大)
FL/NO8 内村 龍(高川学園→帝京大)
FL/CTB/WTB 細川 塁(流経大柏→帝京大)
SH 飯野 和音(國學院栃木→法大)
SH 海老原 銀次(桐蔭学園→國學院大)
CTB/WTB 遠藤 悟(佐沼→武蔵大)
CTB/WTB 後藤 天真(日川→関東学大)
CTB/WTB 中山 仁(青森山田→日大)
WTB 伊藤 宗隆(國學院久我山→國學院大)














![佐藤健次[埼玉パナソニックワイルドナイツ/HO]の反省と課題。「優勝のピースにな..](https://rugby-rp.com/wp-content/uploads/2026/04/260425_SW-SD_022_AI-272x153.jpg)


