国内 2025.12.13

子どもは府中で友達を作った。セタ・タマニバル、ブレイブルーパスでの契約延長を願う。

[ 向 風見也 ]
子どもは府中で友達を作った。セタ・タマニバル、ブレイブルーパスでの契約延長を願う。
Tシャツ姿で取材に応えるセタ・タマニバル[BL東京/CTB](筆者撮影)

 開幕へ順調な足取りだ。ジャパンラグビーリーグワンで3連覇が待たれる東芝ブレイブルーパス東京にあって、33歳のセタ・タマニバルが好調である。

 秋のプレシーズンマッチで持ち場のアウトサイドCTBへ入ると、再三のターンオーバー、突進でアピールした。身長189センチ、体重104キロの恵まれたサイズと速さを、攻守で活かした。

 ハイパフォーマンスの秘訣はスケジュールにあると、本人は言う。8~9月はフィジー代表の一員として、パシフィック・ネーションズカップ(PNC)へ参戦したのがよかったようだ。

「PNCに出るため、例年よりも早く仕上げなければいけませんでした。そのおかげで、いいリズムで来られています。代表活動がないと、本番前にぶつかれるのがこの時期の練習試合だけになってしまいます。一方、今季は夏からゲームに出ていた。(秋の実戦で)身体はびっくりしていません」

 過去にニュージーランド代表として3キャップを獲得し、現在は規定に伴うコードチェンジによりフィジー代表の資格を持つ。

 来日は2020年。スーパーラグビー有数のラインブレイカーとしてブレイブルーパス入りし、チームの成績向上を当事者として経験した。

 その存在感の大きさゆえだろう。2シーズン前にはインターネット上で、他のクラブへ移る噂が出回った。

 いま、そのことについて本人は「当時のことはよくわからないです」と応じるのみ。ここから続けるのは、チームへの愛着である。

「確かなのは、今季限りでブレイブルーパスとの契約が満期を迎えることです。その後、残れるのなら残りたい。ただ、結果を出さないと(他の選手と)取って代えられてしまうのはわかっています。自分にできることは、チームの3連覇に貢献することです」

 拠点の東京都府中市には家族御用達の公園も、自分の好きな定食屋やカフェもある。3児の父は、1日でも長くこのクラブにいたい。

「子どもたちは府中の学校に通っていて、日本人の友達もできた。大好きだ、転校したくないと言っています。『お父さんの仕事には移籍もあるし、一か所にずっといられるとは限らないよ』と、たまにリマインドはしていますが!」

 埼玉パナソニックワイルドナイツとの初戦は12月14日、東京・味の素スタジアムでおこなわれる。豪快で穏やかな13番は好スタートを切れるか。

PICK UP