秋に母国と対戦の日本代表ベン・ガンター、「疑ってきた人々へ強さを見せる」
相手をなぎ倒すタックルと要所でのスティール。この夏、日本代表のベン・ガンターは持ち味を発揮した。
7月の対ウェールズ代表2連戦ではベンチスタートでインパクトを示し、8月からのパシフィック・ネーションズカップ(PNC)ではおもにスターターとして気を吐いた。
身長195センチ、体重120キロのFLは、ナショナルチームの一員としての所感を述べた。
「若い選手が多いなか、いい機会を得られた。学び合うこともできました」
自身はファイナルでの出場を逃した。直前のトレーニングで脳震盪があったためだ。
序盤に大量失点も27-33と惜敗した80分を、かように相対化する。
「相手に点数を与えてはならない。80分間、深く、強い状態で戦わなければいけない。(欠場は)残念でした。試合を見ているだけなのは嫌なので!…ただ、トーナメント自体はチームにとっていい経験になりました」
話をしたのは10月7日。秋のキャンペーンに向けたFW合宿の最中のことだ。場所は滞在する大分県内のホテル。折しもミーティングの直前とあり、赤地に金で『超速ラグビー』と書かれたノートを手にしていた。
来日10年目でまもなく28歳。所属する埼玉パナソニックワイルドナイツでは、練習生の立場から這い上がった。昨年までクラブの指揮を執ったロビー・ディーンズ氏へは、深い恩義を示す。
「彼は、自分のことを信じてくれた」
今秋のキャンペーンでは、自身にとって2度目となる母国オーストラリア代表戦を控える。特別な感慨があるかと問われ、「それ以前に、日本代表でプレーすることが特別だ」と即答する。
その後もワールドカップ2連覇中の南アフリカ代表など、タフな相手に挑む。
選手としての進歩を叶えた国の一員として、「これまで我々を疑ってきた人々へ、日本代表の強さを証明する」と意気込む。




