日本代表 2025.10.02

【リポビタンDチャレンジカップ2025】日本代表メンバー発表会見 エディー・ジョーンズHC質疑応答②

[ 編集部 ]
【リポビタンDチャレンジカップ2025】日本代表メンバー発表会見 エディー・ジョーンズHC質疑応答②
エディー・ジョーンズ監督のもと、日本代表はこの秋、世界トップクラスの強豪との連戦に挑む(撮影:早浪章弘)



 10月25日の国立競技場でのオーストラリア戦を皮切りに、ヨーロッパでの南アフリカ、アイルランド、ウエールズ、ジョージアとの連戦に挑む秋の日本代表のトレーニングスコッドが、10月2日に発表された。今回はFL/NO8リーチ マイケルが復帰したことに加えLOハリー・ホッキングスなど楽しみな新戦力も選出され、パシフィックネーションズカップ(PNC)決勝でフィジーに肉薄したチームからさらに総合力が高まった印象だ。そんなチームが10月6日から始まる合宿を経て、世界トップクラスの強豪にどのように挑んでいくのか。ここでは記者会見でのエディー・ジョーンズHCの言葉を紹介する。

(以下質疑応答)

――「世界からリスペクトを得なければならない」とおっしゃったが、現在はどう見られていると感じるのか。

「PNCで本来ならフィジーが1人少ない状況で戦わなければいけないのに、多い状態で6分間プレーが続きました。そんなことが他の国の試合で起これば、世界的な話題になったでしょう。それくらいシリアスな問題だったにも関わらず、日本だったから何事もなかったかのように済まされてしまった。そうしたところで、世界から日本は軽視されていると感じています。

 世界からリスペクトを得るには、強豪チームに勝つしかありません。2015年以前なら、今回のツアーで対戦するような相手とはマッチメイクできなかったでしょう。2019年W杯でそういう強豪とも戦えるチームだと証明できたわけですが、さらに世界からのリスペクトを得られるようにならなければいけないと思っています。

 日本は最初の20分は調子いいけれど、その後失速して負けるチームだと思われているかもしれません。そうではなく、戦い続けて、食らいついていって、最後の最後まで相手を追い詰めるチームになって、リスペクトを得ていきたい」

――キックの使い方について、今後どのようなことに取り組んでいくのか。

「PNCのスタッツを見てもキックで非常にいい数値が出ていますし、キックの使い方は成長してきていると思います。アタックのバリエーションを増やしたことで、より効果的なキックを蹴りやすくなりました。

 現在のラグビーでは、空中のコンテストが1試合平均で30回ほどあります。最近の南アフリカとNZの試合では、南アフリカが10回蹴ったうち9回を再獲得したことがありました。自陣で蹴って、ポゼッションを得た状況から、さらに相手陣でポゼッションを奪い返すわけですから、これは非常に効果的です。我々も、しっかり仕掛けつつコンテストキックを蹴っていきたいと思っています。

 WTB石田吉平は短期間で成長しており、体格的には小さいけれど、高く飛ぶことができます。相手が蹴ってきた時に、空中で勝ち取らなければいけない。アイルランドと南アフリカはボックスキックを多用してくるチームなので、そこが重要になります」

――LOで新たに3人を選んだ理由と、期待しているところは。

「ハリー・ホッキングスはワーナーによく似たタイプです。高さがありますし、空中戦に強い。アタック力もあります。彼が入ることで、LOの層が厚くなると思います。タイラー・ポールとデーヴィッド・ヴァンジーランドは、ハードワークができるLOです。サイズもあり、取り組む姿勢もいい。学ぶ意欲が強い、ジャパンに適した選手だと思っています」

――PNCを通して、選手から超速ラグビーが浸透してきたという声が聞かれた。

「やっと浸透してきたというコメントに対していうのであれば、それは当たり前で、簡単にできるわけがないと思っていました。超速は体現するのが難しいし、時間がかかるということは当初からいってきたことです。現代の人々はすぐに結果を求める傾向がありますが、本当に質の良いものは、時間をかけて構築していかなければなりません。

 いいラグビー、いいものを構築し、熟成させて、深いところまで理解するには時間がかかります。オーソドックスなスタイルなら即席でできるかもしれませんが、我々はそういうことはやっていません」

――オーストラリアA代表戦とワラビーズ戦でのメンバーの起用法と、齋藤直人の合流時期について。

「あくまで最優先はオーストラリア戦です。オーストラリアA戦に出るのは、ゲームタイムが必要な選手や、ワラビーズ戦に向けてゲームタイムが必要だと判断した選手です。今夏のウエールズとのシリーズと同じ流れで、基本的にメンバーは宮崎に残って、ワラビーズ戦に向けて準備をしていきます。

 齋藤直人はアイルランド戦から合流します」

――今回、ケガ等で選べなかった選手は。

「ケガで選べなかった選手はかなりいます。PNCでHO原田衛、PR木村星南、LOワイサケ・ララトゥブアがケガにより離脱しました。大学生も注目していた選手がいましたが、大学の試合に専念したいということで参加できないケースがありました」

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