【ワールドカップ2025】イングランドがホームで3大会ぶりの優勝!女子ラグビー史上最多の観客動員数「8万1885人」


■ワールドカップ2025イングランド大会
・9月27日@アリアンツ・スタジアム(ロンドン)
【女子イングランド代表 33-13 女子カナダ代表】
ワールドカップ2025イングランド大会のファイナルは、女子ラグビー史上最多の観客動員数、8万1885人を集めた。
決勝に駒を進めたのは、イングランドとカナダだ。
2014年のフランス大会以来、二度目の決勝進出で初優勝を目指すカナダは、準決勝で2連覇中のニュージーランドを破り、勢いに乗っている。
対するイングランドは8大会連続の決勝進出で、前回大会の決勝でNZに敗れたのを最後に32連勝中。対カナダ戦は13連勝中だ。
過去最高の盛り上がりを見せた女子ワールドカップで、頂点に立ったのはイングランド。ホームで3大会ぶりの優勝を飾った。
最終スコアは33-13。勝者が多くの時間でゲームを支配した。
しかし、前半5分の先制トライはカナダだった。
WTBアシア・ホーガンロチェスターが自陣からの好キックでエリアを進めると、直後のイングランドボールのラインアウトスローが乱れる。
これを起点にカナダが敵陣深くでアタックを展開。NO8ファビオラ・フォルテーザからホーガンロチェスターにラストパスが渡り、左コーナーに入った。
イングランドは先制点こそ許したが、以降は自分たちのペースでゲームを進めた。
8分、カウンターアタックからFBエリー・キルダンが個人技で抜け出し、7-5と逆転する。
セットプレーでも優位に立ち、19分にはラインアウトモールを押し込んだ。
ペナルティを重ねるカナダに対して、イングランドの怒涛のアタックが続く。26分にはゴール前スクラムで猛プッシュ、SHナターシャ・ハントのオフロードを受けたNO8アレックス・マシューズがトライラインを越えた。
その後も、FLゾーイ・オルドクロフト主将が何度も突き刺さるタックルを見せ、スティールでもピンチを防ぐ。
34分にこそLOソフィー・ド・ゲーテにPGを決められたが、ジャッカラーであるPRハンナ・ボッターマンのスティールなど堅い防御からチャンスを作った。
21-8で迎えた前半終了間際には、再びモールでトライゾーンに入ったが、TMOによるチェックでノートライに。
カナダとしては、かろうじて後半に望みを繋いだ。
しかし、後半は守勢に回る時間帯こそ長くても、イングランドの優勢は変わらなかった。
ラインアウトで苦戦するカナダのミスにつけ込む。10分のトライで26-8とリードを広げた。
カナダの反撃はその3分後。イングランドPRボッターマンのファウルプレー(タックル)を起点に敵陣深くに入り、WTB ホーガンロチェスターのトライに繋げる。
なおもFBジュリア・シェル、SHオリビア・アプスのランなどでゴール前まで迫った。しかし、この好機はノックフォワードで終えた。その後のスクラムでも前半同様、塊を何度も押された。
イングランドは29分、ハイパントの再確保を起点に攻め立て、最後はNO8マシューズがグラウンディング。33-13として大勢を決めた。
レッドローズのHCとなってから一度も負けなかったジョン・ミッチェルHCは、「3年前に掲げた目標に、区切りをつける必要があった。彼女たちは本当に素晴らしい」と称えた。

試合後、ワールドラグビーのコーチ・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた指揮官は「これは自分のための賞ではありません」と語り、「選手たちが自分の可能性に気づいたことをとても嬉しく思います。長い間、非常に良いチームでしたが、今日、彼女たちは偉大なチームと呼ばれるに値すると思います。本当に素晴らしいグループ」と続けた。
プレーヤー・オブ・ザ・イヤーにはLOながら今大会3位の61得点(3T20C2PG)を挙げたカナダのソフィー・ド・ゲーテが選出された(イングランドのCTBミーガン・ジョーンズとNZのFLジョージャ・ミラーがノミネート)。
スタッツではオフロードパス(12回)、ラン(106回)の回数でトップに立った。
女子15人制ブレイクスルー・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーにはブラックファーンズのWTB/FBブラクストン・ソレンセン=マギーが選ばれた。
18歳のマギーは今大会が初めてのワールドカップだったがトライ王と得点王の2冠を獲得。69得点(11T7C)、11トライを挙げた。クリーブレイク数(15回)も1位だった。

