【関東大学対抗戦】筑波、慶應を振り切る。2週前の明治戦勝利に続き開幕2連勝。

■関東大学対抗戦戦A
・9月28日@秩父宮ラグビー場(東京)
【筑波大 21−12 慶應義塾大】
2週前の開幕戦で明治大から28-24の勝利を収めた筑波大が、また大きな白星を手にした。9月28日に秩父宮でおこなわれた関東大学対抗戦の第2戦で、慶應義塾大を21-12と撃破。昨季対抗戦で3位と4位の強豪を立て続けに破り、開幕2連勝と好スタートを決めた。
前半、主導権を握ったのは風上に立つ筑波だった。スクラムを完全に支配し、ボールポゼッション、テリトリーとも慶應を大きく上回る。ほとんどの時間を相手陣でのアタックに費やし、レッドゾーンに攻め込むシーンも複数回あった。
しかし仕留めの局面でプレーの精度を欠き、最後の一線をなかなか越えられない。慶應もひたむきなタックルと粘り強いカバー防御で奮闘し、30分過ぎまでは0-0と拮抗した展開が続いた。
ようやくスコアが動いたのは33分だ。筑波は相手投入のスクラムを押し込んで得たペナルティから左コーナーへ蹴り出すと、FWがラインアウトモールを押し込む。一度目は押しきれなかったものの、ペナルティを取って再度ラインアウトでモール勝負を挑み、PR茨木海斗が左中間にねじ込んだ。
その後もチャンスを作り出した筑波だったが、この日は細かいエラーが多く、攻めあぐねる場面が続く。前半終了間際にもトライラインを越えながらグラウンディングを阻止され、7-0での折り返しとなった。
筑波としては後半風下に回ることもあって嫌な流れだったが、その状況を救ったのがスクラムの優勢だ。後半2分から4分にかけて2本連続でペナルティをもぎ取ると、そこから得た相手陣のラインアウトを起点に連続攻撃を仕掛ける。CTB東島和哉がタックルを受けながらオフロードでつなぎ、切れ込んだFB内田慎之甫がポスト下へ駆け抜けた(6分/14-0)。
これでようやく硬さが取れた筑波は、続く10分にも相手陣22メートル線内のラインアウトから追加点を刻む。縦-縦の連続攻撃でゴール前まで前進し、SH高橋佑太朗が左ショートサイドの裏のスペースへキック。転がるボールをWTB飯岡建人が左コーナーに押さえた。
このまま筑波が一気にたたみかけるかと思われたが、慶應もしぶとかった。21分、相手陣22メートル線内のラインアウトからスピーディーに攻撃を継続し、SH橋本弾介がラックサイドを切り裂いて前進。SO小林祐貴→FL申驥世の1年生コンビで右順目を攻略し、待望の得点を挙げる。
34分には相手陣レッドゾーンへ攻め込んだところで、筑波のSO楢本幹志朗が故意の反則によりシンビンに。一気に慶應の追い上げムードが高まった。
しかし筑波もここで地力を発揮し、ひとり少ない状況ながら辛抱強く戦って着実に時計を進める。37分過ぎに相手陣22メートル線内に攻め込んだ場面は得点に変えることができなかったものの、慶應の反撃をロスタイムの1トライに抑え、21-12で勝利を手にした。