走って、ぶつかって、跳んで。ジャック・コーネルセン、日本代表復帰戦で光る。

かすかに上気した様子で、ジャック・コーネルセンは喜びを語る。
「最高でした。勝てるような展開に持ち込めた。一瞬、一瞬が本当に楽しかったです」
7月5日、福岡・ミクニワールドスタジアム北九州。ラグビー日本代表の7番をつけ、世界ランクで1つ上回る12位だったウェールズ代表を24-19で破った。ノーサイドの瞬間までフィールドに立った。
ジャパンが世界最上位層のハイパフォーマンスユニオン勢を倒すのは、2019年のワールドカップ日本大会以来。2021年に代表デビューの30歳にとっては、未体験のことである。身長195センチ、体重110キロの万能FWは言う。
「どんな勝ちでも嬉しいですが、ティア1に勝つことは本当に特別ですね」
期待通りに動いた。’23年のワールドカップフランス大会以来の代表復帰を果たし、発足2年目のエディー・ジョーンズヘッドコーチ体制にとってのビッグマッチで活躍。鋭い出足のタックル、キックチェイス、キックチャージのほか、空中戦のラインアウトを問支えた。
自軍ボールの確保率を高めるだけでなく、勝負どころにおける相手ボールを何度もカットした。5点リードで迎えた後半33分には、自陣ゴール前右の1本を見事に奪い取った。クライマックスのピンチを防いだ。
総じて、向こうのジャンパーが捕球しにかかるタイミングで跳躍。チャレンジが未遂に終わったシーンでも、攻めのテンポは鈍らせた。
本人は手柄を誇らない。LOとしてラインアウトを支えたワーナー・ディアンズに感謝する。
「ラインアウトの攻防はかなりこだわって練習してきた。きょうはワーナーがリードしてくれた。かなりいい仕事をしている。彼がいることによって、自分の仕事がやりやすくなったと思います」
昨季の国内リーグワンでは、所属する埼玉パナソニックワイルドナイツの参加した全20試合(レギュラーシーズン、プレーオフ)にフル出場。久々の国際舞台でも爪痕を残した。12日には兵庫・ノエビアスタジアム神戸で、今回と同じカードがある。