試合当日朝からマオリ・オールブラックスが働く。交流イベントには田中史朗も参加。

プレーするためだけに来日したのではない。
6月28日に東京・秩父宮ラグビー場で日本代表らによるJAPAN XVとぶつかるマオリ・オールブラックスは、試合当日の朝、東京ドームシティのラクーアガーデン芝生広場での交流イベントへ選手を派遣した。
この日ゲームに出ない予定のアントニオ・シャルフーン、コーリー・エヴァンス、メイソン・トゥパエアが、会場へ集まった25名程度の小学生とタグラグビーなどのゲームを楽しんだ。
ニュージーランドラグビー協会とパートナーシップを結ぶ三井不動産が主催していた。競技活動以外のアクティビティがある意義について、エヴァンスはこう応じた。
「繋がりを持てる機会はとてもいい。(参加者は)今回のことを通し、自信を持ってラグビーを続けて欲しい。スキル、可能性のある子どももたくさんいました」
ゲストには他に、お笑い芸人のしんや、野田クリスタル、元ニュージーランド代表のデイン・コールズ氏、元日本代表の田中史朗氏もいた。
田中は現役時代から競技の普及活動に注力し、現在は最後に在籍したNECグリーンロケッツ東葛のアカデミーディレクターを務めている。子どもへの声かけやコーチングが自然。日本人初のスーパーラグビー(ニュージーランドなどを中心とした国際リーグ)経験者でもあるだけに、このように振り返った。
「色んな子に声をかけてあげるのが大事。あとは、『外国人の選手と喋っておいて』と伝える。そうして、皆がいままでにしたことのないことができる(よう意識した)。海外のトップ選手と触れ合うことはいい経験です。こういう、彼らが世界に羽ばたけるようなイベントを東京だけではなく、色んな地方でも増やしていただきたいです」
日本とニュージーランドは、両国のラグビー協会が協定を結んでいることでも知られる。
さらに国内リーグワンには相次ぎ有力なニュージーランド人選手が参戦。昨年のマオリ・オールブラックスで主将を務めたビリー・ハーモンは、昨冬より横浜キヤノンイーグルスに加わり今年6月までのシーズンでベストフィフティーンに輝いている。
3選手の囲み取材では、日本行きへの興味についての質問が飛んだ。いずれも中長期的には興味があるとしたが、もっとも回答が振るっていたのはトゥパエアである。
「もしかしたら2~3年後には。給料次第かな!」
