謙遜する皆勤賞。ジャック・コーネルセン、約1年半ぶりの代表復帰。

ジャック・コーネルセンがラグビー日本代表に帰ってきた。
2021年に代表デビューの30歳が、6月12日発表のスコッドに名を連ねた。’23年のワールドカップフランス大会以来の復帰だ。約9年ぶりに復職して2季目に突入したエディー・ジョーンズのもとでは、初めてのメンバー入りとなる。
昨年12月に開幕した国内リーグワンのシーズン中には、こう言葉を選んでいたものだ。
「いまはワイルドナイツでどう戦うかに注力。そして、その後に何かあるのであれば…といったところです」
所属する埼玉パナソニックワイルドナイツへの忠誠心は強い。加わったのは’17年。最初は練習生契約だった。
来日前は細身も、段階的なトレーニングでいまは身長195センチ、体重110キロのサイズに変わった。筋肉を中心に10キロも増やした。
堅陣で鳴らすワイルドナイツにあって、高低を織り交ぜたタックル、ラインアウトの攻防で献身する。
LO、FL、NO8と複数の位置をカバーできるのもあり、今年5月まであったリーグワンでチームが参加したレギュラーシーズン、プレーオフの全20試合に先発フル出場した。
層の厚いクラブにあっての皆勤賞である。
第2児の誕生直後にあたる第15節でも、ワイルドナイツのジャージィを着た。ロビー・ディーンズ監督が産休のような制度の明文化について提言するなか、当事者はこの調子だった。
「ロビーさんには(第15節欠場の)オプションも与えてもらっていました。ただ、妻へは周りの皆様がサポートしてくれていて、私自身はプレーしたかったのです。こうしたことについてはチーム内でのコミュニケーションが重要ですが、ワイルドナイツには理解の深い方がたくさんいます」
ゲームへ出続けて身体を張ってきた凄みについて聞かれても、手柄を誇らない。
「バイウィーク(リーグの休息週)には休んでいるので身体の状態はいい感じです。週初めからの練習でも(チームに)負荷をコントロールしてもらっている。S&C部門のスタッフには、ストレッチ、治療、アイスバスと、いいリカバリーをさせてくれてもいます」
日本代表は7月5、12日、欧州6強の一角であるウェールズ代表とぶつかる。それぞれミクニワールドスタジアム北九州、ノエビアスタジアム神戸でおこなわれるゲームでも、他者の支援に感謝してタフに働く。