プロテインバーはチョコ味。チャーリー・ローレンス、サイズアップで代表入り。

宿題を忘れなかった。チャーリー・ローレンスが、27歳でラグビー日本代表に初選出された。6月12日に発表された。
身長171センチと一線級のCTBにあっては小柄も、防御ラインに迫りながら精度の高いパス、キックを繰り出せる。何より、攻守で身体をぶつけるのを厭わない。
6月上旬に長野・菅平で実施の候補合宿では、コンディション調整のため一部のセッションを回避。それでもなおリストアップされたあたりに、エディー・ジョーンズヘッドコーチからの期待の大きさがにじむ。
「エディーさんには攻守でアドバイスをもらいます。身体を正面に向けてプレーすること、オフ・ザ・ボールの時もダッシュしてハードワークすることを説かれます。練習は激しい。試合のほうが楽に感じるほどです」
昨年候補に入った際は、ちょうど約9年ぶりに復職したてだったジョーンズヘッドコーチにリクエストを出されていた。国際舞台で耐えられるよう、フィジカル強化を命じられたのだ。
その期待に応えて、いまがある。三菱重工相模原ダイナボアーズに移籍加入した直近のシーズンは、いつもの通常練習後にエクストラのジムワークに取り組んだ。
「たくさんクラブハウスのジムに通い、たくさん食べました! チョコレート味のプロテインバー、好きなんです」
いまの公式体重は「90キロ」と開幕前の「92キロ」を下回っているが、実際には肉体改造の着手前より「5~6キロ」も増えたという。サーフィンが趣味とあり、冗談を交えて言う。
「上半身を鍛えるのが好き。いまは夏仕様に身体を仕上げています!…ベンチプレス、ショルダープレスをよくします。ベンチプレスは以前まで120キロの重りを挙げていましたが、一時は150キロでおこなっています」
自身にとり日本で3つ目のクラブとなるダイナボアーズは、昇格3年目にして2季連続で入替戦を回避。献身的なスタイルで爪痕を残している。
国内シーズン終了後の5月に参加した代表予備軍、JAPAN XVの活動には、吉田杏をはじめダイナボアーズの面々が複数選ばれていた。そのことにもローレンスは喜ぶ。
ナショナルチーム入りを目指す6月のキャンプに際しては、前所属のトヨタヴェルヴリッツでともにプレーしたシオサイア・フィフィタと「今年は去年よりもトレーニングはハードになるだろう」と話し合っていた。その通りだと実感した。大学生や大卒組ら、他の面子に触れて実感した。
「若い選手が多く、皆、熱心です。メンバー入りを果たすために頑張っています」
イギリス人の父とフィリピン人の母が香港に住む間に生まれ、5歳でラグビーと出会った。15歳で渡った王国のニュージーランドでは20歳以下代表に選ばれ、’18年、20歳の誕生日を迎える前に来日した。
現コベルコ神戸スティーラーズ、ヴェルヴリッツを渡り歩き、ダイナボアーズで最初のシーズンを経ていまに至る。
代表入りへの思いはこの国にいる間に芽生えた。もし願いを叶えるのであれば、本番当日のスタジアムにフィリピン住まいの両親も招待したい。
「決まったら、ぎりぎりのタイミングで航空券を予約しないと」
現在は正スコッドによる宮崎合宿に参戦中だ。ターゲットは7月5、12日。対ウェールズ代表2連戦がある。