ンタマック、アルドリットが見られるか!? フランス協会が今夏のNZ遠征の選考条件を発表

フランスラグビー協会(FFR)とフランスプロリーグ主催団体(LNR)は6月3日、今夏に予定されているフランス代表ニュージーランド遠征の選手選考条件について、両者間の協定改訂に合意したと発表した。
合意された主な選考条件は以下の通りだ。
▼フランス代表チームは、これまで通り42名の選手からなるグループを選出。
▼2025年のシックスネーションズでほとんど、あるいは全く招集されなかった選手を優先的に選考する。
▼トップ14決勝に進出したチームの選手は原則として選出されないが、例外として、下記の条件に従い、決勝に進出した2クラブから合計最大5名まで選考可能となる。
・選出される選手は、2024-2025シーズン中のプレー時間が過度に長くなかった者とする(現地メディアの情報では2000分以内)。
・選手の選出には所属クラブの事前の同意を要する。ファビアン・ガルチエ代表ヘッドコーチと各クラブのヘッドコーチは、6月初旬から事前協議を行う。
フランス代表は7月5日(ダニーデン)、12日(ウェリントン)、19日(ハミルトン)にオールブラックスと対戦する。これに対し、トップ14の決勝は6月28日に開催されるため、代表チームの招集は3段階で行われる。
6月16日に、まず最大28名の選手からなる最初のグループ(トップ14の準決勝に進出していないクラブの選手)が招集され、6月21日(土)にトゥイッケナムで開催されるフランスA代表対イングランドA代表の試合に向けた準備を行う。
そして6月23日にトップ14の準決勝で敗退したクラブの選手たちがグループに合流。7月1日にトップ14決勝進出クラブの選手たちがニュージーランドでチームに加わり、第2戦と第3戦に出場可能となる。
フランス協会のジャン=マルク・レルメ副会長(ハイレベル競技部門およびマッチオフィシャル担当)は、この合意を高く評価している。
「この合意は、協会とLNRがパフォーマンスと選手の保護を両立させようとする共通の意志を完璧に示しています。過密な試合日程の厳しさと、選手のプレー時間の適切な管理とのバランスを保つことで、私たちはフランス代表がこのニュージーランド遠征を意欲的かつ万全の態勢で準備できる手段を提供しています。この革新的な仕組みは、フランスラグビーとその選手たちの利益のために、私たちが協力して取り組む能力を示しています」とコメントした。
LNRのヤン・ルベール会長も、「この追加条項は、LNRと協会がともにバランスの取れた解決策を構築できる能力を示しています。これにより、フランス代表は選手の長期的な負担管理方針を尊重しつつ、ニュージーランドでのこの名誉ある遠征に意欲的に臨むことができます」とコメントし、今回の合意の意義を強調した。
今年3月のシックス・ネーションズ優勝後に、グレゴリー・アルドリットやロマン・ンタマックといった主力選手が7月に代表としてプレーしたいという意向を示していた 。特にンタマックはニュージーランド遠征を「かけがえのない瞬間」と表現していた 。
ガルチエHCの就任以来、選手の過密スケジュールを考慮し、トップ14の決勝進出チームの選手たちは夏の遠征に参加しないのが通例となっていた 。昨シーズンのファイナリストであるトゥールーズとボルドーには、代表の主力選手の多くが所属しており、今季も1節を残して両クラブともに、すでにプレーオフ進出を決めている。
今回の追加条項は、選手の声を聞いて、協会(代表チーム)とリーグ(クラブ)が、両者の利益・不利益、また選手の健康を考慮した、まさにギリギリのせめぎ合いの結果と言えるだろう。