【リーグワンD2/D3入替戦】ブルーシャークス、ラガッツを残り1分で逆転し2部残留へ王手。

リーグワンのD2・7位清水建設江東ブルーシャークスとD3・2位の狭山セコムラガッツが5月24日、ブルーシャークスのホーム「江東区夢の島競技場」で入替戦1回戦を競い、ブルーシャークスが先勝した。
試合は前半、風上に立ったブルーシャークスが得点した。7分、ラガッツ陣22メートル線付近で右ラインアウトを得る。オープンへ運び再び右へ、中央へと継続。12フェーズでSOクリップス ヘイデンが右タッチ際にかまえるFL安達航洋へ渡し、タックルを受けながらもトライゾーンへ入った。FBコンラッド・バンワイクがGを決めて7-0と先制した。
リスタート。ブルーシャークス陣22メートル線付近へボールを蹴り込み、キャッチした相手にラガッツが絡んでターンオーバー。後ろに位置したCTB中洲晴陽がステップでディフェンスをかわしポスト左へ仕留める。SOダニエル・ウェイトがG、同点にした。
その後は膠着状態が続く。お互い22メートル内に入れない。両チームのSH、ブルーシャークスは金築達也(2年目、関西学大)とラガッツの髙島理久也(10年目、立命館大)が小気味よく球をさばきバックスへボールを供給するも、取り切れず。
前半、最後の得点は40分。敵陣に入ったブルーシャークスがノットリリースを奪い、バンワイクがPGで3点を加え10-7で折り返した。
ラガッツは得点源の左WTB松田武蔵(3年目、大東大)がレギュラーシーズン最終15節(5月10日)、対クリタウォーターガッシュ昭島戦で後半37分、自陣ゴール前のディフェンス時に密集に巻き込まれ負傷退場した。14節の試合でハットトリックを決めたフィニッシャーをラガッツは欠くことに。
後半6分、ブルーシャークス陣22メートル線内でラガッツボールのスクラム。松田と両翼を担ったWTB神座立樹が2年後輩の復活を願い右中間へ5点をマークし、10-12と逆転する。神座は左手首のテーピングに「634(ムサシ)」と記してピッチへ立っていた。

13分、SOウェイトがPGで3点を加え10-15にする。ブルーシャークスはラガッツ陣に入るもディフェンスにてこずり横へボールを動かすのみ。縦へのゲインができない。
15分すぎ、敵陣でのスクラムはラガッツが支配。スタッフ席にいた山賀敦之チーム統括/スクラムコーチが思わずガッツポーズをするも転倒し、姿を映していた放送画面から消える一幕もあった。
残り5分、ブルーシャークスがトライラインへ攻め込むもターンオーバーされた。続くラインアウトから再び攻める。ラガッツが反則。TMOでは途中に入ったCTBティジェイ・ファイアネが危険なプレーで一時退場を受けた。
ブルーシャークスの左ラインアウト。今度もフェーズを重ねる。11回目、負傷退場の主将HO立川直道に代わり前半から出場の田森海音、NO8トコキオ ソシセニ、LOトム・ロウと左へ展開。ラストパスは左WTBエッセンドン・トゥイトゥポウへ渡る。左隅に飛び込み15-15に追いついた。
タイムは39分5秒。逆転勝利はバンワイクに託された。成功率85%でD2レギュラーシーズンのベストキッカーを受賞したFB。慎重に構えるとラガッツが早めに飛び出し、キックは改めてなされる。ボールは正確にバーの上を越えた(17-15)。リスタート、ブルーシャークスが確保しノーサイドを迎えた。ブルーで染まった応援席は歓喜にあふれた。

ブルーシャークス仁木啓裕監督権チームディレクターは「狭山セコムラガッツの素晴らしいラグビーにディフェンスに回ってしまった。2点差で勝って反省ができるということが次につながる。大事なのは気持ちの部分、そこにフォーカスして次の試合にピークを持っていきたい」。
D2昇格へ一歩も引けないラガッツ。「D3よりコンタクトレベル、アタックのスピードの速さ、ブレイクダウンの質などがまったく違い、最初に受けてしまった」と飯田光紀キャプテンは、体感した部分を明かした。時間がたつにつれて適応した経験をもとに次戦に備える。
第2節は5月31日、ラガッツのホーム「海老名運動公園陸上競技場」で12時にキックオフ。