国内 2025.05.24

たまったエネルギー、全部ぶつける。眞野泰地[東芝ブレイブルーパス東京]

[ 編集部 ]
たまったエネルギー、全部ぶつける。眞野泰地[東芝ブレイブルーパス東京]
「コンタクトでは絶対に負けない。出たら動き回って仕事量も上げたい」と眞野泰地(撮影:松本かおり)

 決戦に臨む東芝ブレイブルーパス東京には、眞野泰地がいる。

 第12節の埼玉ワイルドナイツ戦で右手の甲を骨折。第17節で5試合ぶりに復帰して、レギュラーシーズン最終節との2試合で後半から出場した。
 
 第17節の三菱重工相模原ダイナボアーズ戦では、後半21分に負傷したWTBジョネ・ナイカブラと交替でフィールドに立つ。この直後に、立て続けに相手に3トライを取られて悔やんだ。
「試合勘がちょっと自分の中で衰えていました。イージーなタックルミスでゲインされる場面もあって、ここで反省点がたくさん見つかる経験ができてよかった」。

 続く最終節の浦安D-Rocks戦では後半15分から本来のCTBとしてフィールドに立ち、攻撃では低い姿勢でぐいぐい前進、防御では粘りのタックルでターンオーバーを成功させる。
「ディフェンスの部分でしっかり体を当てることができたのはよかったです」と試合の感覚が戻ってきた手応えを得た。

 静岡ブルーレヴズに大敗を喫した試合を外から見て、「出場したら局面を変えられることができるくらいに成長しなければ」と感じたという。ケガをして試合から離れていた約1か月は、もう一度、じっくり自分と向き合う時間だった。
「フットワークの部分や走り方をもう1度見直すことができたので、プレーオフではその部分をもっと出したいです」。

 対戦相手を想定したチームを形成するノンメンバー“K9(ケーナイン)”のミーティングに参加する機会もあった。「もともと僕はK9にいた時間のほうが長いのですが、今年は特に、しんどいことを淡々とやっていて、あらためてすごいなと感じました」と、その存在の大きさと、チームがひとつであることを実感することができた。

 いよいよプレーオフトーナメントへ。
「ファイナルを2回、全力で戦って、チーム全員で最後まで山を登り切る」
それがブレイブルーパスの選手たち全員のマインドセットだ。

 眞野ももちろん、同じ心持ちだ。試合から離れていた時間を含めて、今季積み上げてきたものすべてを、ぶつけたいと思っている。
「結構、エネルギーがあり余っているんです。もうシーズンが終わっちゃうので、全部ぶつけたい。不完全燃焼にならないように、できることはやりきりたいです」
 準決勝2日前の練習の後、楽しそうな笑顔でそう言い切った。

 緊張感に包まれたプレーオフの舞台で、大きな相手をしっかり仕留めるタックルを、粘り強い前進を、きっと何度も見ることができるに違いない。

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