国内 2025.04.26

【リーグワン】ワイルドナイツ、苦しみながらも勝利で首位を維持。ブラックラムズはBP獲得でプレーオフへ望みつなぐ。

[ 編集部 ]
【リーグワン】ワイルドナイツ、苦しみながらも勝利で首位を維持。ブラックラムズはBP獲得でプレーオフへ望みつなぐ。
BKにケガ人が相次ぐ中、攻守に気を吐いたWTB長田智希(撮影:舛元清香)



 ポストシーズンに向け順位争いが佳境を迎えつつあるリーグワン。特に白熱しているのが、ディビジョン1のプレーオフに進出するトップ6の残り2枠をかけたレースだ。

 ラスト3節の最初のゲームとなるバイウィーク明けの第16節、4月26日に熊谷ラグビー場でおこなわれた一戦では、前節終了時点で首位に立つ埼玉パナソニックワイルドナイツに対し、プレーオフへの可能性を残す同8位のリコーブラックラムズが渾身のチャレンジを見せた。

 この日最初のスコアが生まれたのは前半16分だ。互いにディフェンスでしのぎ合う展開で迎えた前半16分、ワイルドナイツはペナルティからタッチに蹴り出し左コーナーのラインアウトを得ると、モールを力強くドライブしてHO坂手淳史が左中間に押さえる。

 21分には相手ラインアウトのスティールからチャンスを作り、ペナルティを誘発。SO山沢京平がゴール正面のPGをなんなく通し、10-0とリードを広げた。

 ワイルドナイツが一気にペースを握るかと思われた場面だったが、ブラックラムズもここから反撃に転じる。直後のキックオフで相手のミスボールを逃さず奪取して切り返すと、10番に起用された伊藤耕太郎が襲いかかるタックラーを次々とふりほどいてポスト下へ。ゴール成功で3点差に詰め寄った。

 もちろんワイルドナイツも負けてはいない。この日が復帰戦のFLラクラン・ボーシェーとCTBディラン・ライリーをともに前半30分でベンチに下げる中、32分に得意のラインアウト起点のアタックでスピーディーに巡目を攻め、オーバーラップをWTB竹山晃暉が仕留める。

 前半終了間際にはブラックラムズが気迫みなぎる攻撃でたたみかけ、WTBセミシ・トゥポウが左隅に押さえたが、これはグラウンディングより先に足がタッチラインを出ていたというTMO判定でノートライに。17-7とワイルドナイツが先行して前半を折り返した。

 後半も先に追加点を刻んだのはワイルドナイツだった。10分、相手ゴール前での左展開から入替で入ったCTB谷山隼大があざやかなランでディフェンスを切り裂き、中央にフィニッシュ。17点差までリードを拡大する。

 しかし、プレーオフ進出に燃えるブラックラムズはここで気持ちを切らさなかった。18分、ラインアウトモールからサイドへ持ち出した9番TJ・ペレナラが力業でねじ込んで反撃の狼煙を上げると、25分にも同様のパターンでペレナラがトライを挙げ3点差に。ワイルドナイツの谷山と竹山が立て続けにケガで退き、本来SHの高城佑太とバックローの大西樹がWTBの位置に入ったこともあって、以降はブラックラムズが互角以上に渡り合うシーンが連続する。

 それでも、過去4シーズンすべてプレーオフの決勝に進んでいるワイルドナイツはさすがにたくましかった。相手に再三スティールを許し、仕留めきれない場面が続いても、動じることなく3点のリードを守りながら着実に残り時間を進めていく。最後はゴール前のスクラムをプッシュして注文通りペナルティを獲得。80分のホーンが鳴ったところで山沢がPGを蹴り込み、27-21としてフルタイムを迎えた。

 ボーナスポイントこそ取れなかったものの、白星を挙げ勝ち点4を積み上げたワイルドナイツは首位を維持。一方のブラックラムズは惜しくも勝利には届かなかったが、7点差以内の敗戦によるボーナスポイント1を獲得してプレーオフ進出へ望みをつないだ。

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