国内 2025.04.24

勝たせるのが責任。呉洸太[三重ホンダヒート/SO]

[ 明石尚之 ]
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勝たせるのが責任。呉洸太[三重ホンダヒート/SO]
ランも駆使したアグレシッブな仕掛けが武器。180センチ、89キロ©JRLO

 リーグワン・ディビジョン1のレギュラーシーズンは残り3試合。
 昇格2年目の三重ホンダヒートは、ここまで4勝11敗で勝ち点18の11位だ。

 下位2チームが進む入替戦回避に向け、「6」まで続いている連敗を止めたい。

 バイウィーク前の4月11日(第15節)は、首位に返り咲く埼玉ワイルドナイツに33-53で敗れた。
 司令塔を担った呉洸太(お・ぐぁんて)は反省する。

「規律で我慢し続けられれば、僕たちにもチャンスは来る。でも、ペナルティを重ねて自分たちで勢いを失いました」

 呉は自身の役割であるエリアマネジメントで後手を踏んだことも悔やんだが、ハイパントで相手の落球を誘ってトライを挙げたり、グラバーキックやランで味方のトライを演出するなど随所に光った。

 大阪朝高、法大出身の28歳。昨季はほぼフル稼働も、入団6季目の今季は開幕から7試合続けて出番がなかった。
 東芝ブレイブルーパス東京から中尾隼太、サラセンズからマヌ・ヴニポラが今季より加入、次点に回ったからだ。

「もちろん負けたくない気持ちはありましたが、経験値やパフォーマンスで負けているという自覚もありました。2人からはいろんな刺激をもらえるし、学べることも多い。こういう時はどうするのかといった考えを普段から聞いていますし、パスやキックのスキルも教えてもらっています」

 そこにはリスペクトがある。ケガから復帰して第14節から12番で先発中のヴニポラに感謝する。

「めちゃくちゃ心強いです。マヌのコールはゲームコントロールを助けてくれますし、練習でもそうですが常にチームを鼓舞する声かけをしてくれるんです」

 前半戦にメンバー外となった理由は明確だった。苦手意識の強かったタックルを指摘された。

「ディフェンスで体を当てることがまったくできていませんでした。そこで相手に勢いを与えるシーンも多かった。相手に勢いをつけられるシーンが多かったんですけど、そこを変えられてから、リズムを上手く掴めていると感じます」

 練習後の自主練を使い、藤田慶和や本村直樹、渡邉弐貴を相手に肩を当てた。
 その成果で2月16日の第8節でメンバー入りを勝ち取る。第9節から3試合はFB、以降はSOで先発出場を続けている。

「試合を外で見ている時は、チームが勝っても嬉しい半分、悔しい半分でした。やっぱり自分がグラウンドに立って、勝利に貢献したかった。選んでいただいた時にその気持ちをパフォーマンスで表現できて、いまに繋がっています」

「ただ…」と言って続ける。

「勝ち切れてないので。そこはSOの責任。僕のパフォーマンスがもっと良かったり、マネジメントが良ければ勝てた試合はあったと思います。(出るだけでは)満足できません」

 4月26日の第16節も背番号10のジャージーを着ることが決まった。
 すでにプレーオフ進出を決めている、2位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイに挑む。

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