【リーグワン】雨の金曜ナイター。埼玉ワイルドナイツが後半に三重ホンダヒートを突き放す。

■NTTリーグワンD1 第15節・4月11日@秩父宮ラグビー場(東京)
【埼玉WK 53-33 三重H】
大粒の雨が降りしきる金曜ナイター。1万4896人を集めた秩父宮ラグビー場でのホストゲームを担った三重ホンダヒート(11位)は、前半こそ粘ったが後半は地力の差が出た。2位の埼玉パナソニックワイルドナイツが8トライを重ね、53-33で制した。
ワイルドナイツの先制トライは8分。自陣深くでのヒートの攻撃を凌ぎ、キックでエリアを進める。FLベン・ガンターの力強いボールキャリーを起点にゴール前まで迫り、最後はSO山沢京平の内返しのパスに反応したFB野口竜司が走り込んだ。
その6分後には相手のキック処理のミスを突く。PRリサラ・フィナウのパワフルなランで前進、左サイドに振ってWTBマリカ・コロインベテがコーナーに飛び込んだ。
12-0としてからは打ち合いが続いた。
ヒートの反撃は19分。敵陣22メートル内に上げたハイパントを相手が落球、こぼれたボールをSO呉洸太がトライゾーンで押さえた。
すぐさまワイルドナイツもやり返す。22分、カウンターアタックから途中出場FB齊藤誉哉のランで22メートルラインに迫り、CTB谷山隼大、HO佐藤健次と若手で繋いだ。
5-19で迎えた30分、今度はヒート。相手のパスミスで転がったボールに反応、CTBダーウィッド ・ケラーマンがドリブルでトライゾーンまで持って行った。
再び7点差と迫った37分には、再び相手のキックの処理ミスをスコアに変えた。CTBマヌ・ヴニポラが右奥へ蹴り込み、WTB本村直樹がコーナーに滑り込む。ヴニポラのライン際のコンバージョンも決まり、19-19。ついに同点に追いついた。
雨の止んだ後半も、スコアボードはよく動いた。しかし、そのほとんどがワイルドナイツによるものだった。
1分、FB齊藤がラック脇を突破すると、すぐさまSO山沢が右サイドで待つFLガンターにキックパスを通す。そのガンターがタックラーに絡まれながらトライゾーンに入った。
その5分後にはCTB谷山が味方のハイパントを敵陣22メートル内でスーパーキャッチ、WTB竹山晃暉のトライを生んだ。
31-19とリードを広げ、11分にはPGで追加点を挙げた。
追いかけるヒートは15分、敵陣深くで粘り強く攻める。11フェーズ目でSO呉がトライゾーンに転がし、FBトム・バンクスが押さえた。
しかし、この日は上手く自陣から抜け出せなかった。さには24分の失トライの前にシンビンで2人のFWを欠く。26-39と差は開き、28分、37分にもトライを許した。
試合終了間際にSO呉のランを起点に敵陣深くに入り、スクラムからWTBテビタ・リーが意地のトライを挙げたが、最終スコアは33-53と及ばなかった。
ワイルドナイツで初めてゲームキャプテンを務め、復帰戦となったPR稲垣啓太は、「間違いなくタフな試合になると思っていた。こういう雨の日に大事なのは余計なことをしないこと。入りは良かったけど、そこから油断が生まれて50/50のパスをしてしまい、自分たちのミスから失点しました。そこは修正しないといけません」とコメントした。
6連敗となったヒートのキアラン・クローリーHCは「とても残念でフラストレーションの溜まる試合でした。後半から(自陣に)閉じ込められてしましました。途中13人になってしまいましたが、それも相手がそういう風にプレッシャーをかけてきたからこそです。相手のプレーのほうが上回っていたと思います」と語った。