国内 2025.04.07

初出場初トライの松下怜央[クボタスピアーズ船橋・東京ベイ]、ユーティリティーBKとして進む決意。

[ 木村大輔 ]
初出場初トライの松下怜央[クボタスピアーズ船橋・東京ベイ]、ユーティリティーBKとして進む決意。
デビュー戦、アタックで結果を残した松下怜央(撮影:イワモトアキト)

 クボタスピアーズ船橋・東京ベイの松下怜央が4月6日のNTTリーグワンD1第14節・リコーブラックラムズ東京戦でリーグワン初出場を果たし、この試合で初トライを決めた。

 背番号23を背負いリザーブに入った松下の出番は前半25分に訪れた。脳震盪のチェック(HIA)で一時退出したWTB根塚洸雅と交代で初めてリーグワンのピッチに立つ。29分に敵陣の左サイドで最初のパスを受けると、相手3人を弾きながら前進してトライラインを越えファーストトライをマークした。

 根塚のチェックが終了した前半36分に一旦ベンチに下がるも、後半22分にWTBハラトア・ヴァイレアと交代で再出場し、合計27分間のプレータイムを得てチームの42-14の勝利に貢献した。

 初トライの瞬間、共にハングリーにトレーニングに取り組んできたノンメンバーのチームメイトが観戦する一画が大きく沸いた。歓声はピッチに立つ松下の耳にも届いていた。「ずっとノンメンバーの方で練習をやっていたので、そこでやっていた仲間たちから祝福されるのはとてもうれしいです」と喜びを噛み締める。

 早大を卒業する2023年、「強いチームに行って自分を成長させたい」という思いでスピアーズに加入した。「厳しい挑戦になる」と覚悟はしていたが、アーリーエントリーを含め3季目のシーズンを迎えても初キャップが得られない状況に「正直焦りも感じていた」と心境を吐露した。

 厳しいチーム内での競争を勝ち抜いていくため、複数のポジションを高いレベルでこなす「ユーティリティーBK」としてのスキルアップを見据える。

 スピアーズ加入当初はWTBでプレーしていたが、昨年の横浜キヤノンイーグルスとのトレーニングマッチでこれまでほとんど経験のなかったインサイドCTBでプレーするとパフォーマンスに手応えを感じた。CTBという選択肢を得ることでプレーヤーとしての幅が広がる感覚をつかみ、BKのゼネラリストを志すようになる。

 チームでインサイドCTB、WTB、FBをこなす中、松下自身のポジションのファーストチョイスは、昨年初めてチームの実戦でプレーしたインサイドCTBと答えた。

「12(インサイドCTB)、15(FB)だとボールをもらえる回数が多いので。自分の強みであるボールキャリーとか咄嗟の判断も出していけるので、その面では12ですね。でも、全部得意です!」

 初の公式戦でディフェンスの精度に課題を感じた一方、強みとするアタックでは自信をつかむパフォーマンスができた。これからプレータイムを伸ばしていくため、ユーティリティーBKとして総合力を高めていく。

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