復活のショーン・マクマーン。度重なる怪我からの復帰で掴んだ「自信」。
歩んだのは簡単な道のりではなかった。
東京サントリーサンゴリアスのショーン・マクマーンは、2年半ほどに及ぶリハビリ生活を経て今秋、カムバックしている。
ヘッドメディカルを務めるサイモン ポープらサンゴリアスのスタッフ、チームメイト、さらには家族へ謝辞を述べつつ、辛抱の季節を振り返る。
「最初に怪我をした時は直ぐにリカバーできましたが、その後に膝を痛めてからは落ち込んだ時期が続きました」
2022年から肩に1度、膝に2度のメスを入れている。その間、復帰早々にグラウンドを離れる経験もした。
思い返すのはリハビリの日々。クラブハウスで復旧作業をおこないながら、窓ガラスの向こうのグラウンドで同僚がトレーニングするのを見つめた。
「辛かったのは2回目の離脱の時です。自分のリハビリがうまくいかないという気持ちが強くなりました。またチームから支えてもらっていたとはいえ、どうしても皆から離れている時間もありましたので…」
だからいまは、険しい山を乗り越えた感慨がある。
12月21日の東京・味の素スタジアムでの国内リーグワン開幕節では、持ち場のNO8で先発フル出場を果たした。埼玉パナソニックワイルドナイツに12-33と敗れながらも、力強い突進を連発。生来の存在感をアピールできたのには手応えがあった。
「フィジカルな試合になりましたが身体の状態もよく、久々の80分出場を達成できた。自信に繋がりました。うまくキャリーができたところもあります。自己評価を厳しくしたい分、磨かないといけないところがあると感じます。ただ、いいスタートではありました」
身長186センチ、体重99キロの30歳。オーストラリア代表として27キャップを獲得してきた一方、2017年のサンゴリアス入りからほとんどの時間を日本で動く。
異国のクラブに身を置くのは8シーズン目。その思いを口にする。
「日本も、サンゴリアスも愛しています。また、この2年間、サポートしてもらった恩を返したい」
某私鉄駅の近くに、大衆的な値段ながらも味わい深い中華料理店を発掘した。酢豚が「めっちゃおいしい」と日本語で述べる。この国に残りたい理由をどんどん増やしている。
何より…。
「私はまだ、サンゴリアスでは1回しか優勝できていません。必ず、もう一度…」
入団1年目以来の日本一へ、「私たちのプロセスは間違っていない。あとは規律を大事に」。28日には東京・秩父宮ラグビー場で、リコーブラックラムズ東京と今季初白星を争う。